<一般的に日本人や日本企業は生成AIに消極的と言われる。果たして本当か。AIエージェントの導入に関して、実態を見てみると…>

「あなたを失業させるのはAIではなく、AIを使う人間なのだ」

エヌビディアのジェンスン・フアンCEO(写真)が繰り返すこの警鐘に背中を押され、AI普及で出遅れていた日本が急速に追い上げている。

ただし、新しい道具の使い方を学んでいるそばから、競争の舞台は姿を変えている。かつて関心の中心は「チャットボットから面白い答えをどう引き出すか」だったが、いま問われているのは「AIに私の代わりを務めてもらうには──つまりエージェントとして、何をしてもらえるのか」だ。

日本人や日本企業は一般的に生成AIに消極的だと理解されてきた。OECDの2025年の報告書によれば、日本の職場でAIを利用する労働者はわずか8.4%。別の統計でのアメリカの50%、シンガポールの56%を大きく下回る。BBCに出演した識者はその主因をリスク回避文化と指摘した。

だがセキュリティー統括の責任者という特定領域に限れば、日本はこの挑戦に静かだが着実に向き合ってきた。

2026年7月の調査によれば、日本企業で情報セキュリティーを統括する責任者の79%が既にAIエージェントを業務に取り入れている。世界平均は58%で、調査対象の13の国・地域で最も高い数字だ。さらに導入企業の34%は人間の監視を限定的にしか行わず、AIエージェントをほぼ自律的に動かしている。世界平均は17%で、こちらも最多である。

そして、この波に乗っているのはITの専門家だけではない。

私の知人の日本人俳優は、自分のPR活動をAIに任せている。AIがYouTubeから過去のCMや出演ドラマを探し出し、短いクリップに編集し、自身のロゴと新しいテロップを加えて、再び見たくなる動画に仕立てる。

別の知り合いの日本人エンジニアは、AIエージェントを使って、銀行口座やクレジットカードの明細、Suicaの利用履歴まで自動で集め、家計の流れを可視化する仕組みをつくった。無駄を省くアイデアまでAIに提案させている。

なぜ他国はここまで動けていないのか
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