「愚策で、カネの無駄遣い」──。退役米海軍少将のマーク・モンゴメリーは、トランプ米大統領が8月中旬、米海軍のジェラルド・R・フォード級空母の一部で、現行の電磁式カタパルト(射出機)の代わりに、旧式の蒸気式を復活させるよう指示したことについて、こう切り捨てた。
いずれも、空母の甲板から戦闘機を短距離で一気に加速、発艦させるシステムだが、蒸気式が文字どおり蒸気を利用するのに対し、電磁式では原子炉から供給される電力でリニア誘導モーターを駆動する。
海軍は、電磁式は効率的で、より少ない人員で運用できるとしてきた。空母ドリス・ミラーへの電磁式の設置作業は半分近く進んでいる。
現段階で方針を転換すれば、コストは膨れ上がり、予定は遅れ、システム統合上のリスクも生じると防衛関連企業ジェネラル・アトミクスは指摘。上院軍事委員会の民主党議員からも、「拙速な設計変更」は「軍人を危険にさらし、空母の安全性を損なう」と批判の声が上がっている。
トランプは2017年、電磁式を「理解するにはアインシュタイン並みの頭脳が必要だ」と不満を漏らした。
だが、今回の判断が得策ではないことは天才でなくても分かる。
2026年9月8日号(9月1日発売)は「量子コンピューター最前線」特集。
夢の「最強計算機」が実用化へカウントダウン。医療・通信・金融・AIはこう変わる
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます