<利回りが3%近くまで上昇し、投資先として魅力を増す日本国債。だが、その金利上昇と税制優遇の議論の背景には、日本財政が抱える深刻な問題がある>

政府は2027年度税制改正要望で、個人向け国債の税制優遇を盛り込む。相続税の減免や、個人向け国債を少額投資非課税制度(NISA)の対象に加える案も浮上している。

日本の国債は長くゼロ金利状態が続いており、一般国民にとって投資する価値のない存在となっていた。だがここ数年、日本経済を取り巻く状況が変化し、日本国債は今や3%近い利回りとなっている。

国債というのは政府の信用を背景に発行されるものなので、元来、信用性が極めて高い商品である。年金減額が予定されるなか、国債の積立投資が推奨されること自体は決して悪いことではないだろう。

だが、このタイミングで税制優遇措置が議論されている背景や、日本国債の利回りが魅力的な水準まで上昇した要因を考えると手放しでは喜べない。

これまで国債の利回りが限りなくゼロに近かったのは、言うまでもなくアベノミクスによる影響である。日銀が市場から国債を買い入れ、大量のマネーを市場に供給する大規模緩和策を長く続けてきたことから、国債にはほとんど金利が付かなくなった。

一方で、日銀が事実上の国債の引き受け手になったことで、日本の財政は急激に悪化し、市場では財政危機がささやかれ始めている。同時に日本円の下落も進んでおり、これらの要因が複合的に作用し、金利が3%近くまで上昇した。

当初、NISAの対象に国債は入っていなかったが、最大の理由は証券業界に大きなメリットがなかったからである。それにもかかわらず、ここにきてNISA対応の議論が進んでいるのは、高市政権が金利上昇に危機感を抱いているからにほかならない。

政府は全力で財政を健全化させる必要
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