Pavel Polityuk

[キーウ 26日 ロイター] - ルーマニアのドナウ川河口にあるスリナ運河周辺では、ウクライナの港で穀物を積み込み輸出するため最大70隻の船舶が通航待ちとなっている。トレーダーやアナリストが26日明らかにした。

水先案内人の不足に加え、燃料など優先度の高い貨物輸送が先行していることから、長期間の遅延が発生している。世界有数の穀物輸出国であるウクライナの輸送停滞は、国際市場の穀物価格上昇につながる恐れがある。

ロシアによる攻撃で、従来ウクライナの穀物輸出の約90%を担っていた黒海沿岸の港湾が事実上利用できなくなったため、一部の輸出はドナウ川沿いの港へ振り向けられている。ただドナウ川港湾の処理能力は黒海港湾を大きく下回る。

穀物輸送船は燃料などの優先貨物と通航枠を争っており、輸出の停滞につながっている。さらに混乱に拍車をかけているのは、空襲警報が頻繁に発令されることによる港湾作業の停止だ。

ASAPアグリは、25日時点で50隻超の船舶がスリナ運河の通航を待っていた一方、ウクライナのドナウ川の港へ向かう船舶は1日当たり5-7隻にとどまっていたと述べた。

同社は通信アプリのテレグラムへの投稿で、遅延1日当たり最大8000ドルの追加コストが発生し、既に高水準にある海上運賃をさらに押し上げていると指摘。「今後数日間で天候が悪化すれば、状況はさらに深刻化しかねない」との見方を示した。

実際、海運会社アバロン・シッピングのオペレーションマネジャー、カテリナ・コノネンコ氏の話では、悪天候の影響でスリナ運河が約2日間閉鎖される見通し。「現状においてこれは非常に大きな痛手だ。本日時点で約70隻がスリナ沖で待機している。現在ウクライナ港に向かう船舶のスリナ運河通航能力は1日当たり2-3隻しかなく、極めて低い水準だ」という。

ウクライナは、ロシアがオデーサ地域の港湾を封鎖していた戦争初期にもドナウ川港湾への依存を強め、ドナウ川経由の穀物輸出能力は2022-23年に月間250万トンでピークに達した。現在のドナウ川経由の輸出量はピーク時を大きく下回るものの、トレーダーは徐々に出荷を増やしている。国営鉄道会社ウクルザリズヌィツャによると、8月のドナウ川港向け穀物輸送量は7月の11倍に増加した。

ウクライナ農業省のデータでは、8月1日から21日までの穀物輸出量は53万9000トンで、前年同期の173万トンを大幅に下回った。

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