Nate Raymond
[ボストン 26日 ロイター] - 米野党民主党が主導する州と投票権擁護団体は26日、郵便投票に関してトランプ大統領の指示に基づいて米郵政公社(USPS)が導入を進める新たな要件適用の差し止めを求め、東部マサチューセッツ州のボストン連邦地裁に訴訟を再度提起した。民主党系の州司法長官ら23州とコロンビア特別区、ペンシルベニア州知事で構成される原告団のほか、投票権擁護団体が関連訴訟を起こした。
トランプ大統領は3月に郵便投票の本人確認や管理強化を目的とした大統領令を発出。USPSがまだ最終規則を策定していなかった段階で、同じ原告団が提起した訴訟について連邦地裁からいったん差し止め命令を獲得したが、連邦最高裁は最終規則が出る前の訴えは手続き上認められないとしてこの差し止め命令を取り消していた。
その後、USPSが21日に最終規則を発表すると、原告団が改めて訴訟に動いた形だ。
一方、今回の訴訟提起まで、投票権擁護団体が起こした関連訴訟でタルワニ連邦地裁判事が出した別の差し止め命令により、USPSは新規則を実施できない状態にあったが、タルワニ判事は州側が提訴した直後にこの命令を取り消した。判事は連邦最高裁の判断を踏まえると差し止め命令を維持できないと述べた。
ただ投票権擁護団体は修正訴状を速やかに提出し、州側とともに新規則の実施を再び阻止するための一時的な差し止め命令を求めた。
タルワニ判事は、改めて出された差し止め請求に対する回答をトランプ政権に対し27日正午までに提出するよう命じた。また規則を無期限に停止する仮差し止め命令を発令するかどうかを審理するため、9月3日に審問を開く予定だ。
発表された新規則では、各州に対し郵便投票の対象者リストをUSPSへ提供することを求めるほか、発送用および返送用の投票用封筒全てに固有のバーコード表示を義務付ける。規則に適合しない投票用紙や、名簿に掲載されていない有権者に関連する投票用紙については、USPSが配達を拒否できるとしている。
民主党系の州はこの新要件が選挙直前の数週間で大きな負担になると主張し、新たな封筒や機器の購入に加え、新システムの構築と職員研修が必要になると指摘。ニューヨーク州のジェームズ司法長官は「新方針は混乱と不必要なコストを生み、有権者にとって容認できないリスクをもたらすだけだ。われわれはこれを阻止するため提訴する」と述べた。
原告側の主張に基づくと、USPSには郵便投票の資格要件を連邦レベルで定める権限はなく、この規則は有権者の権利を保護する連邦法や、選挙運営権限を州に認めた合衆国憲法に反する。また新規則によって有権者の投票権が奪われる恐れがあるという。
訴状によると、2024年の選挙ではUSPSが約1億票の投票用紙を取り扱い、全米有権者の約30%が郵便投票を利用した。
USPSはコメント要請に回答していない。