デザインツールは、高機能になればなるほど複雑になり、使いこなすための知識や経験が求められる。だがCanvaは、その常識を覆すことで急成長を遂げてきた。

2013年の創業以来、「誰でも簡単にデザインできる」ことを追求し、ドラッグ&ドロップを中心とした直感的な操作性で利用者を拡大。今では月間アクティブユーザー数は数億人に上り、企業価値は420億ドルに達している。

その「シンプルさ」へのこだわりは、生成AI時代に入っても変わらない。Canvaが目指すのは、ユーザーに複雑なプロンプトやAIモデルの仕組みを学ばせることではなく、そうした技術を意識せずに使える環境をつくることだ。

Canvaはなぜ、競争の激しいデザイン市場でここまで成長できたのか。そしてAIによって、同社はどこへ向かおうとしているのか。

共同創業者兼COOのクリフ・オブレヒト氏が、420億ドル企業を築いた「複雑なものをシンプルにする」という哲学と、AI時代の成長戦略を語る。

デザインプラットフォームは、とにかく複雑なことで知られている。少なくとも、Canvaが登場するまではそうだった。

2013年の創業以来、Canvaはビジュアルコンテンツのデザインや制作において、世界で最も利用されるプラットフォームの1つへと成長した。

オーストラリア・シドニーに本社を置く同社は現在、月間アクティブユーザー数が数億人に上り、企業価値は420億ドルと評価されている。

その成功の秘訣は何か。複雑な世界の中で、物事をシンプルに保つことだ。それはCanvaのプラットフォームそのものにも、企業文化にも当てはまる。

「Canva以前のデザインツールは、あまりにも複雑で高価でした」と、Canva共同創業者兼COO(最高執行責任者)のクリフ・オブレヒト氏は本誌に語った。

「私たちはそれを変えたいと考えました。今では数億人の人々が、ピッチ資料からウェブサイト、マーケティングキャンペーンまで、あらゆるものを制作するのを支援しています」

「このシンプルさこそ、顧客に愛されている大きな理由です」

「プロンプトを学ばせない」の真意
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