「『残念』は意思ではない」

政府の対応には与野党から批判的な声が上がっている。21日に開かれた自民の外交関連部会では、出席議員から「日本は赤根氏を守っていく立場ではないか」などと政府に対応を求める意見が出た。中谷元・前防衛相が共同会長を務める「人権外交を超党派で考える議員連盟」は24日、国会内で会合を開いて「当事国であるはずの日本の反応は、諸国と比べて段違いに弱い。『残念』は感想であって、意思ではない」などとする非難声明を発表。政府に対し、制裁への明確な抗議と米政府への即時撤回要求の表明を求めた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は自身のソーシャルメディア「X」で、「日本の金融機関が過剰なリスク回避をして赤根所長との取引を停止しないよう、何らかのガイドラインを出すべきだ」と発信している。

「どう『実利』を取るか」

一方、複数の政府与党関係者はロイターの取材に、対応の「難しさ」を明かす。外交政策に詳しい関係者は、「大変残念だ」とした政府の公式見解が「弱いレベルの表現にとどまるもの」と認めた上で、「米を強く非難したとして、問題が解決するかと言えばそうではない」と話す。トランプ氏の更なる強硬姿勢を誘発すれば、「それこそ米は振り上げた拳を下ろせなくなる」というわけだ。

別の関係者は、米によるドル決済の規制について日本政府として取り得る手段は限られるとし、「日本が表立って動けば、赤根氏に更なる不利益を与える懸念もある」とした。日本が安全保障上も米に依存せざるを得ないという前提があるとも指摘した上で、「米を非難すれば気持ちはいいのかもしれないが、外交はそれだけでは立ち行かない。どう『実利』を取るかを考える必要がある」と語った。

木原稔官房長官は24日の記者会見で、ICCを支持する政府の姿勢に変わりはないとしつつ、具体的な対応については「今後とも(赤根氏と)意思疎通を行いながら、必要な支援があればしっかりとやっていく考えだ」と述べるにとどめた。

長期的な国益を害する