日米当局は7月末、異例の協調介入に踏み切った。円安防止の介入という意味では、実に28年ぶりのことになる。

これまでアメリカ政府は、介入について望ましくないとのスタンスを取っており、状況次第では敵対的行為と見なす可能性すら示唆していた。日本側は円安の進行を食い止めるためたびたび円買い介入を行ってきたが、ベッセント米財務長官が為替は金融政策で調整されるべきという趣旨の発言を繰り返していたことからも、介入について快く思っていなかったことが分かる。

それにもかかわらず、今回アメリカが協調介入を決断したのは、日本円が暴落した場合、日本政府が米国債を売却せざるを得なくなり、金利が急上昇するリスクを何としても回避したかったからである。日本政府は両国のパートナーシップを強調しているが、アメリカがそうした理由で介入を行うはずがなく、切実な事情があると考えるべきだろう。

日本は戦後、アメリカに大量に製品を輸出することで貿易を成り立たせてきた。アメリカは日本から買った製品の対価としてドルを日本に支払い、日本は受け取ったドルのほとんどを米国債という形でアメリカに再投資してきた。つまり貿易の対価として支払ったドルは、国債という形でアメリカに還流される仕組みだったと考えてよい。

日本がドル売り介入を行うには手持ちのドルを売る必要があるが、外貨準備のほとんどは米国債に置き換わっており、これを売らなければ介入に必要な現金を入手できない。これまでドル売り介入には限界があると指摘する声が大半だったのは、こうした事情が存在するからである。国債売却に伴う金利上昇は、日本政府に介入を思いとどまらせれば回避できるものの、日本円が暴落するとなると話は変わってくる。

暴落が現実的なレベルに迫ってきた日本円
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