人は、人間の行動は情報を載せたリーフレットを一冊読ませれば変えられると考えがちだ。「リーフレットの誤謬」とでも呼べるかもしれない。
2026年8月中旬、イギリスで起きたある出来事にそれが表れていた。この出来事はイギリスで激しい怒りを招き、SNSを通じてアメリカ人にも衝撃を与えた。
イギリスの内務省は、男女平等、家庭内暴力、性的同意、公共の場での振る舞いをめぐるイギリスの法律や社会的な規範について、亡命希望者向けのガイドラインを改訂した。
新たなガイドラインは、2019年版よりも踏み込んだ、より直接的で具体的な内容になっている。イギリスでは、非西洋圏から来た男性難民をめぐる懸念が以前から続いており、近年はさらに強まっている。今回のガイドラインは、そうした状況のなかで公表されたものだ。
しかしここ数年、イギリスの左派の一部は、与党・労働党の関係者も含め、非西洋圏から来た男性難民は性犯罪や女性への不適切な行為に及ぶ危険性が高いのではないかという懸念を過小評価してきた。
2025年9月、労働党のベラ・リベイロ=アディやナディア・ウィットーム、シャミ・チャクラバーティ上院議員らが支持する「Stand Up to Racism」のキャンペーンが、女性の安全を口実に極右が難民について「人種差別的な嘘」を広めていると非難した。
これに伴って公表された公開書簡には「避難を求める人々が性的暴力を行う可能性が高いことを示す証拠は存在しない」と記されていた。
実際、その主張は正しいのかもしれない。しかし、確固たる結論を出すには現時点では実証的な証拠が不足している。イギリスの司法制度は、性犯罪者が亡命希望者であるかどうかのデータを収集していない。
明確な答えを得るためにも、早急に情報収集を始めるべきだ。