Alasdair Pal

[シドニー 20日 ロイター] - ニュージーランドの新興政党「オポチュニティ党」が、年間1.75%の土地税を新設し、それを財源としてほぼ全ての住民に年間1万9400ニュージーランドドル(1万1552.70米ドル)のベーシックインカム(BI)を支給するなどの税制改正を公約に掲げて支持を高めている。元サステナブル(持続可能な)ビジネスコンサルタントのチウライ・ウォン党首(38)は20日のロイターのオンラインインタビューで、この政策が暴走する住宅価格の抑制にもつながると訴えた。

世論調査によると、結党から約10年のオポチュニティ党は11月7日の総選挙で議席を獲得するのに必要な5%の得票率基準を上回っている。このため総選挙で台風の目になりそうな情勢で、与党の中道右派「国民党」、または野党の中道左派「労働党」が連立政権を樹立するにはオポチュニティ党の協力が必要になるとみられている。

仮に住民へのBIを導入すれば、先進国で初めての試みとなる。土地税は数十カ国で導入されているものの通常は主たる住居を課税対象外としており、土地全体に課税するオポチュニティ党の公約とは異なる。

オポチュニティ党は、土地税を導入すれば住宅価格が10―15%下落するものの、BIの支給によってニュージーランド国民の90%が現状と同等か、それを上回る生活水準を維持できるようになるとの独自のシミュレーション結果を示している。

ウォン氏は「現在は住宅を購入するための負担は世帯収入の7倍に上るが、私の両親が最初の家を買った時は約3倍だった」とし、「つまり1世代の間に負担額が2倍超に膨れ上がったことになる。もしも次世代でさらに2倍になれば、完全に持続不可能な状況に陥る」と問題視した。

さらに、「世界では労働への課税を減らし、富や資産への課税を増やす必要性が認識されるようになっている。だからこそ、私たちの税制改正案は所得税の負担の一部を軽減し、それを不動産に転嫁することを目的としている」と訴えた。

<公約の課題>

ただ、オポチュニティ党は公約の実施で課題に直面している。国民党、労働党のそれぞれの党首は、オポチュニティ党の税制改正案の採用を否定しているからだ。

ウォン氏は2029年に予定されている総選挙に向けて税制改革の必要性をさらに周知させるため、オポチュニティ党が財務省での職務や、税務の監督で役割を果たせるようにするとの方針を示した。

ウォン氏は「初めて議会に進出する新党にとって、税制改革がかなり大きな課題だという現実を直視しなければならない。しかし、それは私たちが常に議題に持ち出すテーマだ」とした上で、「それに関連する分野、すなわち歳入や財政といった分野を担当する役職に就くことも選択肢の一つだ」との考えを示した。

一方、オポチュニティ党が掲げているスーパーや銀行業界で競争促進を目指す政策や、ロビー活動を制限するために個人からの政治献金の上限を3万ニュージーランドドルに設定する案の方が連立政権に受け入れられやすいとの見解を表明。「これらは強い経済と強い民主主義を信じるのであれば、労働党であれ、国民党であれ支持すべきアイデアだ」と主張した。

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