Caroline Valetkevitch

[ニューヨーク 20日 ロイター] - S&P総合500種指数を構成する企業は、人工知能(AI)関連出資の評価益に大きく支えられ、好調な四半期決算シーズンを締めくくろうとしている。

S&P総合500種企業全体の今年第2・四半期決算は、利益が前年同期比52%増となる見通しだ。背景には、テクノロジーセクターの利益が74%増加したことがあり、この数字にはアルファベットとアマゾン・ドット・コムの大きな時価評価益も含まれている。

両社は、アンソロピックといった有力なAI企業への出資によって、この期間に大きな利益を計上した。

LSEGの利益調査責任者、タジンダー・ディロン氏によると、こうした評価益を除外すると、S&P総合500種企業の第2・四半期の増益率は33%になると推計され、それでもなお新型コロナウイルス感染拡大直後の2021年以来で最も力強い四半期となる。

しかし、多くの投資家は時価評価益に対して慎重な姿勢で、市場変動が企業業績に与える影響を増幅させる可能性があると考えている。このため、評価益を含む場合と除外する場合の利益の差は考察に値する。

BofAセキュリティーズの株式・クオンツ担当ストラテジスト、サビタ・スブラマニアン氏は最近の顧客向けレポートで「時価評価益は、あっという間に損失へと転じる可能性がある」と指摘した。その上で「われわれは時価評価益そのものが悪いと言っているわけではない。しかし、利益が(主として)企業が制御できない要因への依存度を高めることで今後の見通しが不透明になるため、われわれは慎重な見方を維持している」と述べた。

<AI企業のバリュエーションに対する投資家の警戒感>

AI関連企業への期待は近年、米国株の上昇をけん引してきた。しかし投資家は、高すぎる評価額(バリュエーション)や、AI向け半導体最大手エヌビディアとその顧客の間に見られるような循環型ファイナンスに対して、ますます神経質になっている。

時価総額が世界最大のエヌビディアは17日、オープンAIが米中西部オハイオ州の大規模データセンターを賃借するのを支援するため、最大1050億ドルの保証を提供すると発表した。

ジョーンズトレーディングのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「ハイパースケーラー企業は資金を借り入れ、株式を発行している」と指摘。

「今は将来の利益を前借りしているようなものだ。利益は予想を上回っているが、その反動で来年や再来年に失望を招く可能性がある。投資家はその点を十分認識しておく必要がある」と話した。

<アルファベットとアマゾンの利益の詳細>

LSEGのディロン氏によると、アマゾンの2026年第2・四半期の純利益には、主にアンソロピックへの投資から生じた534億ドルの営業外税引き前利益が含まれていた。一方でアルファベットの決算には、株式の有価証券に関する771億ドルの含み益が計上されていた。

ディロン氏は、両社の「時価評価益」は第1・四半期にもS&P総合500種企業の増益率を押し上げたが、その効果は第2・四半期ほど大きくなかったと説明した。時価評価益を含めると、第1・四半期のS&P総合500種企業の利益は前年同期比29.4%増。評価益を除くと増益率は22.3%だった。

確かに、第2・四半期の大幅な増益は他のセクターでも生じている。LSEGのデータによると、S&P総合500種を構成する主要11セクターのうち7セクターで、利益が前年同期比2桁増となっている。その中でもエネルギーセクターの増益率は約143%に達する見込みだ。

第3・四半期の利益見通しも上方修正されている。アナリストは現在、S&P総合500種企業の利益が前年同期比29.2%増加すると予想しており、7月初旬時点で見込まれていた27.6%増から水準が切り上がった。

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