[シンガポール 20日 ロイター] - 米財務省が予想外の国債買い戻し拡大を発表したことを受け、20日は世界的な長期金利の上昇に歯止めがかかった。ただ、市場はインフレや政府債務の膨張を巡る懸念から依然として神経質で、利回りは数十年ぶりの高水準近くにとどまっている。
同省は19日、期間が長めの名目利付債を対象とした流動性支援の買い入れオペの規模を、1回当たり20億ドルから少なくとも40億ドルに倍増すると発表した。
32兆2000億ドル規模の米国債市場において、この金額はごくわずかにすぎない。
ただ、米財務省が為替市場で円買い介入を行った直後の措置でもあり、アナリストはこの動きが、長期金利上昇に対する政権の敏感さと市場に介入する傾向を示しているとみている。
JPモルガンのアナリストは顧客向けリポートで「今回の発表により、借り入れコストは直ちに幾分緩和された」としつつ、「最近の日本の介入と同様、米財務省の行動は根底にある構造的課題を覆い隠すもので、それらに対処するものではない」と指摘。
「金利は持続不可能な構造的財政赤字とインフレ期待の高まりによって上昇している」とし、「より長期的な影響としては、『規則的で予測可能』という原則から離れて市場に介入する米財務省を反映し、リスクプレミアムが高まる可能性がある」との見方を示した。
米国30年債利回りはオーバーナイトの取引で9ベーシスポイント(bp)低下して5.19%となり、20日の東京市場では横ばいで推移している。
日本の超長期債利回りも、20年債入札を前に低下した。
オーストラリアと韓国の債券市場も同方向に動いたが、値幅ははるかに小さくなっている。独連邦債先物と仏国債先物の上昇も比較的小幅となっている。