南欧、観光収入減とインフレ加速に直面
気温上昇が最も大きい南欧は最大の打撃を受ける可能性がある。観光収入の減少や農作物の不作の深刻化に加え、人口流出も招く恐れがあるためだ。
欧州の大手銀行INGのエコノミスト、カルステン・ブジェスキ氏は「45度の暑さの中で南イタリアやスペインを歩き回る観光客を想像できるだろうか。私はできない。観光の形態は変わるだろう」と語った。
ブジェスキ氏は、南欧では年間を通じた観光客は増える可能性がある一方、夏場のピーク需要は減少し、旅行者が北へ移ることで南欧の観光・宿泊業界に打撃を与えると指摘する。
また南欧では、異常気象による食料価格への影響もより大きくなりそうだ。これは、既にインフレ率を目標水準に抑えることに苦慮している欧州中央銀行(ECB)の仕事をさらに難しくする可能性がある。
バルセロナ・スーパーコンピューティング・センターの研究者、マクシミリアン・コッツ氏は「極端な高温による食料価格への影響は、もともと気温が高い地域ほど大きい。南欧ではその影響がより強く表れる」と述べた。
コッツ氏の推計によると、2022年の異常高温は食料価格上昇を通じてユーロ圏のインフレ率を0.34パーセントポイント押し上げ、南欧が不均衡に大きな打撃を受けた。
一方、河川輸送の停止によって欧州の一部地域への燃料の輸送も困難になり、地域間の価格差が拡大している。
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