Kentaro Sugiyama
[東京 17日 ロイター] - 内閣府が17日発表した2026年4─6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)ベースで前期比0.3%増となった。3四半期連続のプラス成長となったが、市場予想を下回った。年率換算では1.1%増だった。
ロイターがまとめた民間調査機関のGDP予測中央値は前期比プラス0.5%、年率プラス2.0%だった。
内需の柱となる個人消費は前期比0.02%減と、わずかながら8四半期ぶりにマイナスとなった。値上げが実施されたタバコのほか、電気代、教育費の減少が押し下げ方向に影響した。一方、自動車税の環境性能割が3月末に廃止されたことを受けて自動車販売が伸びたほか、来年4月からの省エネ基準の引き上げを見越したエアコンの駆け込み需要が発生した。
個人消費とともに内需の柱となる企業の設備投資は同1.2%減と、2四半期連続でマイナスとなった。生産用機械はプラスに寄与したが、期間中に日本の製薬会社が特許権を海外に譲渡したことに伴い、研究開発サービスの国内への投資が減少する特殊要因が発生した。
民間住宅投資は同0.5%減で3四半期ぶりマイナス。公共投資は同0.1%減で2四半期ぶりマイナスだった。
内需寄与度はマイナス0.2%ポイントで、3四半期ぶりマイナスとなった。
外需寄与度はプラス0.5%ポイントで、3四半期連続プラスとなった。前出の製薬会社による特許権の海外譲渡がサービス輸出を押し上げた。一方、中東情勢の緊迫化の影響で原油の輸入が減少した。
城内実経済財政相は同日発表した談話で、「内需が特殊要因もありマイナスとなったものの、外需についてはプラスとなり、全体としてプラス成長となった」と指摘。「景気は基調として緩やかな回復が続いている」との認識を示した。先行きについて、中東情勢の影響を引き続き注視する必要があるものの、雇用・所得環境の改善や、各種政策の効果が景気の緩やかな回復を支えることが期待されるとした。
国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーター(原系列)は前年同期比2.6%上昇。上昇幅は1─3月期の3.2%から縮小した。
雇用者報酬(実質)は前年同期比プラス2.2%と、1─3月期のプラス1.4から拡大した。
<景気底堅いとの見方も>
GDP全体について、第一ライフ経済研究所の新家義貴シニアエグゼクティブエコノミストは「イラン情勢がある中で健闘したと言えなくもない。予想対比弱かったが、全体として景気は底堅さを保ったと言える」とコメントした。
日銀の政策判断への影響について、みずほ総合研究所の服部直樹チーフ日本経済エコノミストは「4─6月期のGDPは思ったほど強くなく、実体経済をこれまで以上に丁寧に見ていく必要がある」と指摘。その上で「物価上昇リスクや日米強調介入を踏まえた米国の出方など外部環境を考えると、今のところ9月会合での利上げが第1選択肢となる見方は変わらない」と述べた。