Saeed Azhar Tatiana Bautzer

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国のデータセンターブームで資金調達競争が加速する中、金融機関は地域社会からの反対とそれに伴うプロジェクト遅延という新たなリスクに直面し、デューデリジェンスの負担が増している。

クラウドストレージや人工知能(AI)の演算処理に利用されるデータセンターの建設は、騒音や外観への苦情、電気代の値上がりや大量の水使用への懸念などから、近隣住民の反対にあいやすい。

銀行の幹部らはロイターに対し、プロジェクト融資を審査する際には地域社会の反応を精査し、データセンターに対してより歓迎的な姿勢を示す州のプロジェクトを優先する傾向にあると語った。それでもなお、彼らは活況を呈するデータセンタープロジェクトへの投資や資金提供に意欲的だ。

JPモルガン、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカなどの米銀は、こうしたプロジェクトの資金調達に関する助言を行っている。

バンク・オブ・アメリカのインフラ・サステナブルファイナンス部門グローバル責任者であるカレン・ファン氏は「主に注目するのはプロジェクトの準備状況とプロジェクトの信用力だ」とし、「準備状況とは、必要な全ての許可や承認が得られていること、そして近隣住民をはじめとする地域社会からの支持があることを意味する」と説明した。

銀行は、AIインフラプロジェクトへの融資に先立ち、技術面、環境面、ゾーニング、評価、保険に関する審査など、広範なデューデリジェンスを実施している。

貸し手側は、実現しない可能性や遅延が生じる可能性のあるプロジェクトに時間を浪費することを懸念しており、提案内容をより慎重に精査するようになっている。ある銀行関係者は、地域社会の懸念はデータセンターの信用リスク評価の一環だと述べた。

JPモルガンのAIインフラ投資銀行部門責任者であるケビン・カーティン氏は「融資契約の締結はあくまで始まりに過ぎない。建設期間中、建設業者は、融資資金を引き出すごとに、プロジェクトが貸し手と合意した財務上の契約条項やモニタリング要件を遵守し続けていることを継続的に証明しなければならない」と語った。

モルガン・スタンレーのシャロン・イェシャヤ最高財務責任者(CFO)は、同社がこうしたリスクを「十分に認識している」とし、「われわれはクライアントが資本ニーズを満たすための資金調達、シンジケート融資、引受を支援し、リスクの相殺策を見つけるために存在している」と語った。

各国の政府、規制当局、自治体は、データセンターの建設を凍結、制限、あるいは禁止する動きを強めている。

調査会社データ・センター・ウォッチによると、今年第1・四半期には、総額約1300億ドルに上る少なくとも75件のプロジェクトが地元からの反対に直面した。

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