[ワシントン 13日 ロイター] - 米労働省が13日発表した7月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比4.7%上昇し、伸びは6月の5.5%から鈍化した。市場予想の4.9%も下回った。市場では連邦準備理事会(FRB)が来月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を据え置くとの見方が強まった。
前月比では横ばい。財(モノ)価格の下落で全体的に押し下げられたものの、サービス価格は小幅上昇した。
ロイターがまとめた前月比の市場予想は0.2%上昇。6月の前月比は当初発表の0.3%下落から0.1%下落に改定された。
7月のモノの価格は前月比0.7%下落。前月(1.4%下落)に続き、2カ月連続の下落となった。ガソリン価格が5.7%下落し、エネルギー価格は3.1%下落した。食料品価格は0.9%下落。生鮮・乾燥野菜が34.9%急落し、レタス価格はサイクロスポラ症の集団感染を背景に73.0%急落、下落幅は過去最大となった。一方、卵価格は37.0%、穀物価格は14.8%、それぞれ上昇した。
一方、サービス価格は0.2%上昇。株式相場の上昇を反映してポートフォリオ管理手数料が6.5%上昇したことが押し上げ要因となったものの、前月(0.5%上昇)から伸びは鈍化した。病院の外来診療費は0.9%上昇。一方、航空運賃は3.4%下落したほか、ホテル・モーテルなどの宿泊料金は0.2%下落した。
変動が激しい食品とエネルギーを除くモノのコア指数は0.1%上昇した。タイヤが1.3%、鉄・鋼スクラップが1.5%、変圧器・電力調整装置が4.2%それぞれ上昇し、指数を押し上げた。
変動が大きい食品・エネルギー・貿易サービスを除いたコア指数は前月比0.4%上昇と、前月の0.1%上昇から伸びが加速した。前年比では4.7%上昇。6月は5.0%上昇していた。
<PCEコア指数は緩やかな上昇か>
PPIと消費者物価指数(CPI)のデータを基に、エコノミストは7月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.1%上昇と、6月の0.1%下落から反転すると予想。前年比では3.6%上昇と、6月の3.7%上昇から伸びが鈍化するとの見通しを示した。
サンタンデール・US・キャピタル・マーケッツの米国チーフエコノミスト、スティーブン・スタンレー氏は「7月のPCEコア指数が0.25%上昇した場合、切り上げ・切り下げにかかわらず、前年比の伸びは3.3%でほぼ横ばいとなり、直近6カ月の年率換算で3.4%、直近3カ月では2.9%となる公算が大きい」と指摘。「これは8月のCPIの結果次第だが、9月利上げのかなり明白な論拠となりそうだ」と述べた。
市場ではこれまで利上げが織り込まれていたものの、先週発表された7月の雇用統計で予想外の雇用減が示されて以来、利上げ観測は大きく後退した。パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は「エネルギー価格の上昇がサービス価格に波及しておらず、労働市場が脆弱であることを踏まえると、FRBは年内、政策金利を据え置く公算が大きい」と述べた。
キャピタル・エコノミクスの北米担当チーフエコノミスト、スティーブン・ブラウン氏は「FOMCが9月に利上げに踏み切る必要性を感じる可能性ははるかに低くなったようだ」と述べた。
ただ、PPIデータの多くは月初に集計されるため、7月下旬の原油価格急騰は反映されていない可能性が高い。一部のエコノミストは8月のPPIは伸びが加速するとみており、年内の利上げが依然として選択肢に残っているとの見方を示している。
CMEのフェドウオッチによると、金融市場が織り込む9月15─16日のFOMCでFRBが金利を据え置く確率は約67.6%。利上げに動く確率は32.4%と、前日の40.6%、1週間前の55%から低下した。