闇取引とSNS広告

2月から5月までに輸入された米国産燃料は90万バレルで、キューバ全体の需要の約9日分にすぎない。ロイターが闇市場の流通拠点や正規卸売業者を訪れ、事業者、経済学者、外交関係者、制裁専門家らに取材したところ、それでもこの輸入は大きな変化につながっていることが分かった。

今月9日の夜11時前に全国送電網が停止し、ハバナは暗闇に包まれたものの、一部のレストランや店舗だけは明かりがともっていた。輸入燃料で動く発電機のおかげだ。

転売市場も急速に広がっている。ハバナ中心部のあるコンビニでは、炭酸飲料やビール、クラッカーが並び、客たちは入口でビリヤードを楽しんでいた。その一方で、店の奥には20リットル入りのガソリン容器が十数本並び、1リットル5ドル、1ガロン当たり約19ドルで販売されていた。

近くの集合住宅では、フェイスブックでガソリン販売を宣伝している男性が火災や爆発、有毒ガスの危険を承知で、自室に燃料をため込んでいる。違法燃料販売専用のワッツアップのグループチャットも急増した。

闇市場価格は今年春、1リットル当たり10ドル、1ガロン当たり約38ドルという極めて高い水準まで上昇した。だが、その後輸入量の増加によって幾分落ち着いた。

こうした中で、キューバ政府は石油封鎖による経済麻痺を回避するため、2月に民間企業による自社利用目的の燃料輸入を初めて認可。6月にはキューバの立法府が、エネルギー分野を民間および外国投資家に開放する包括的な経済改革案を承認した。改革はまだ全面実施されていないとはいえ、7月末までに約200社のキューバ企業が他の民間企業向け燃料卸売事業の認可を得ている。

ある企業の交流サイト(SNS)広告は大きな話題となった。著名なキューバ人レゲトン歌手の元恋人として知られるモデルが、ディーゼル燃料の大型コンテナが並ぶ倉庫内を歩き回る映像に、ダディー・ヤンキーさんのヒット曲「ガソリーナ」が流れるという内容だ。

広告を出した企業の広報担当者によれば、同社の取引対象は登録済み民間企業だけで、940リットル入りタンクを1リットル当たり2.50ドルで販売しているという。

持てる人々が利用