Ben Blanchard Ananda Teresia
[台北/ジャカルタ 12日 ロイター] - 台湾で対中政策を担う大陸委員会は、台湾東方沖で中国海軍がインドネシア軍と共同で実施する演習を「危険」だと非難し、中国当局が同海域を支配しているという誤った印象を国際社会に与えようとしていると指摘した。
中国国防省は11日、今月中旬に台湾の東方海域でインドネシア海軍との合同演習を実施すると発表した。中国が台湾近海で外国軍と演習を実施するのは極めて異例。
インドネシア海軍は12日、軍艦「イ・グスティ・ングラ・ライ」がロシア訪問からの帰途、各国と「通過訓練」を実施する予定だと明らかにした。「戦闘」とは関係がないとしている。
インドネシア海軍のトゥングル報道官はロイターに対し、中国には直接言及せず、「他国の海域を通過する際に実施する、各国海軍に共通の慣行だ」と述べた。
大陸委は11日遅く、この演習を「軍事的挑発」だと指摘。「現状を損なうこの危険な行為を直ちに中止すべきだ」と訴えた。
その上で、台湾政府が引き続き周辺海域の動向を注視し、必要かつ適切な措置を講じ、国家主権および台湾海峡の平和と安定を断固として守り続けると述べた。
台湾軍参謀本部の情報担当高官は12日、台北の議会で議員の質問に答え、中国が演習に参加すると発表したインドネシア軍艦は日本からの帰途にあり、中国海軍との演習のために特別に向かったわけではないと説明した。
同高官は、この軍艦が台湾東方の太平洋上、約70─80カイリの地点にいるとし、「軍事的には台湾に直接的な影響はない」とした。その上で、「地政学的な意味合いがある」と述べた。
台湾外交部は別途、インドネシアに対し、演習への参加について「説明」を求めたと明らかにした。
中国共産党系紙、環球時報は、軍事専門家の張軍社氏の話として、今回の動きは台湾東方海域に対する中国の主権を示すものだと報じた。張氏は「中国の管轄海域に外国艦艇を招きいて訓練を実施することは全く正常かつ合理的だ」と述べた。
台湾では現在、中国の攻撃を想定した年次軍事演習「漢光」が行われている。
中国の発表は、米国のエルブリッジ・コルビー国防次官(政策担当)がジャカルタで11日にインドネシアのシャフリィ国防相と会談した際に行われた。シャフリィ氏の事務所によると、同氏はコルビー氏に対し、米国との防衛協力の拡大はインドネシアに米軍基地を設置することを意図したものではないと述べた。