<テロリストになるために、過激派組織への加入や長年の思想教育は必要なくなりつつある。SNSなどを通じて断片的な過激思想に触れ、孤独や怒りを募らせた若者が、短期間で暴力へと向かう可能性がある。デジタル時代の過激化の実態と対策を考える>

テロリズムへの過激化は、組織への加入や長期的な思想教育を必ずしも必要としなくなっている。デジタル空間で断片的な情報と感情が結びつき、若者が短期間で暴力へ向かう新たな過激化の構造を理解することが重要である。

ファーストフードテロとは?

「ファーストフードテロ」という言葉が、最近テロ研究の分野で注目されている。もっとも、これはファストフード店を標的にしたテロを意味する言葉ではない。

これは、過激化の速度が速まり、実行者が若年化し、攻撃が簡素化する一方、従来のような明確なイデオロギーや組織への帰属が弱まっている現象を捉えようとするものである。特にデジタル空間を通じた若者の過激化と、感情や個人的な不満が暴力へ結びつく過程が重要となる。

従来、テロリストへの過激化は、特定の組織や思想との接触、仲間集団への参加、思想的な教育、忠誠心の形成などを経て、比較的長い時間をかけて進むものとして理解されてきた。

アルカイダやイスラム国のような組織では、宗教的・政治的な主張を体系化し、加入者を組織の規範に適応させる仕組みが重要であった。ところが、SNS、動画共有サイト、オンライン掲示板、ゲーム空間、暗号化された通信などが普及した現在、こうした経路を必ずしも必要としなくなっている。

ファーストフードテロの特徴の一つは、急速な過激化である。かつては数カ月、あるいは数年をかけて形成された過激な思想が、現在ではインターネット上の大量のコンテンツを通じて、より短期間に取り込まれる可能性がある。

しかも、個人は一つの組織や思想体系に属する必要がない。イスラム過激主義、極右思想、陰謀論、ミソジニー、反政府思想、暴力を美化するネット文化など、異なる思想や感情を自分なりに組み合わせることができるのである。

組織から個人へ変化する過激化
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