かつて更年期は、女性たちが声を潜めて話すか、そもそも話題にすることを避けていたテーマだった。だが今や、一大トレンドとなっている。ハル・ベリーやナオミ・ワッツといった著名人をはじめ、インフルエンサーや健康の専門家たちが、ホットフラッシュやホルモンから、ブレインフォグ、肌の変化まで、さまざまな更年期の症状について発信し、桁違いの視聴回数を集めている。
サガ・ヘルス・インシュアランスのデータによると、8月12日にはTikTokで妊娠・出産や更年期に関する検索が前日比で約200%増えた。この日、ヘルステック企業のオーラは、閉経移行期(ペリメノポーズ)について学びながら、生体データと症状を記録できる新機能「ペリメノポーズ・チェックイン」を発表している。
なぜ今、更年期がこれほど盛んに語られるようになったのか。女性のウェルネスの専門家であるエイミー・スザンヌ・アップチャーチは、一部の女性が公の場で経験を語り始めたことで、ほかの女性も声を上げやすくなったと指摘する。
SNSでは、自分と同じ症状を経験している人を簡単に見つけることができる。「『これって私にも起きている。なのに誰も教えてくれなかった』と気付く。語ってもいいのだという空気が生まれたことが大きい」とアップチャーチは言う。10年前なら、経験者が身近にいなければ、こうした情報を得るのは難しかった。
デジタルメディアの普及に伴い、X世代やミレニアル世代の女性は、かなり具体的な知識を持って医師を訪れるようになっている。
自然療法医のボビー・パーマーによると、X世代の患者はポッドキャストや書籍で事前に情報を集め、女性ホルモン製剤であるエストラジオールの経口薬と経皮薬の違いや、テストステロン(男性ホルモン)療法、DEXA(骨密度)検査などについて具体的に質問するという。
アップチャーチによると、好まれるコンテンツにも世代差がある。X世代には、症状についてリアルタイムで質問できるライブ動画が効果的だ。一方、より若い女性は、睡眠や気分、活力、月経周期の変化など、閉経移行期の初期サインを解説するコンテンツを好む傾向があるという。