Francesco Guarascio Sophie Yu Casey Hall

[ハノイ/中国・広州 10日 ロイター] - 中国発のネット通販大手SHEIN(シーイン)は米関税への対応策として進めていたベトナムでの生産・輸出拠点の拡大を大幅に縮小している。関係筋が明らかにした。米国の少額貨物免税制度の廃止などでベトナム経由の利点が薄れた上、短納期・少量生産というビジネスモデルの再現が難しく、同社は中国への投資を再び強めている。

この計画を策定した2024年終盤は、トランプ米大統領が2期目の当選を果たした直後で、中国発の少額貨物に対する米国の関税免除は廃止される見通しとなっていた。シーインは中国の主要取引先に対し、ベトナムに生産拠点を設けるよう働きかけ始めた。

シーインはホーチミン市近郊に15ヘクタールの物流拠点を確保し、一時は数千人を雇用していた。しかし関係者2人によると、賃借面積は現在6ヘクタールに縮小した。別の関係者は当初計画した敷地の3分の1しか使用されていないと述べた。

倉庫従業員によると、大規模な人員削減は4月に始まり、今後も続く見通しだ。一部のチームでは従業員が4分の1に減り、それ以上に削減されたチームもあるという。

シーインのベトナム進出計画にとって最大の打撃となったのは、800ドル未満の貨物を対象とする米国の少額貨物免税制度が、中国だけでなく全ての国について廃止されたことだった。トランプ氏は25年7月30日に廃止を命じ、1カ月後に発効した。中国からの貨物に対する免税措置が終了してから、わずか数カ月後のことだった。

その後、中国製品に対する米国の極めて高い関税率は徐々に低下した。ベトナム製衣料品は依然として中国製衣料品より低い関税が適用されるが、その優位性はかつてほど大きくはない。

7月には強制労働で生産された製品の輸入を防げなかったとして、米国は中国とベトナムの双方に12.5%の新たな関税を課した。この決定により、ベトナムは衣料産業が盛んな他の東南アジア諸国より不利な立場に置かれ、シーインの取引先が同国に進出する利点はさらに薄れた。

シーインの中国取引先の関係者によると、低賃金・長時間労働に応じるベトナム人労働者の確保も難しかった。

数千の小規模縫製工場から成る「シーイン村」が集まる広州市番禺区で工場管理者を務める人物によると、ベトナムに進出した取引先の多くが中国に戻った。「ベトナム製品の米関税率は中国製品より低いが、生産効率が低いため、結局は中国で生産するより採算が悪いことに気付いた」と話した。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。