<欧州にもかつてあった男系男子継承の王国は「3つの大波」によってその数を減らしてきた>

欧州には今、7つの王国がある。そのうち6カ国が男女関係なく「長子(第一子)継承」となっている。唯一スペインだけが例外で、王の息子を優先するが、いなければ(王の弟や甥ではなく)娘となる、というルールである。

そんなわけで、欧州の王太子は現在、7人中4人が女性である。ベルギー、スウェーデン、オランダ、スペインだ。このうち、ベルギーとスウェーデンでは、国王夫妻に息子はいるが、長子相続のために、弟ではなく姉が王太子となっている。

イギリスとデンマークでは王太子は男性だが、男だからではなく、第一子だからである。

このように、「男性しか継いではいけない」という王国が皆無の欧州では、大体半分の王太子が女性になっている。男女の人口は大体半々なので、自然の成り行きというべきだろう。

では、なぜ男性しか継いではいけない王国、日本のような男系男子継承の国は、欧州に存在しないのだろうか。

「生き残る種」

答えはシンプルである。そのような王国は、欧州にかつて複数存在した。国名をあげれば、フランス王国、プロイセン王国、バイエルン王国、ザクセン王国などが有名である。しかし、すべて滅んでしまったのだ。

今も存続している欧州の王国のほぼすべては、歴史的に女性の継承を、たとえ予備的な形であっても認めてきた国である(日本も女性天皇が存在した点で、比較対象になり得るだろう)。そしてそのような国々は、現在のように絶対長子継承へと発展していった。

もちろん、王国が滅ぶのには様々な理由が複雑に絡み合っているものであり、「女性の継承がなかったから滅びた」などと単純化することは決してできない。

しかし、歴史は1つの明らかな傾向を示してきたように見える――男性のみが継承した王国はすべて滅亡し、生き残った国は、時代とともに変化した国である――と。

思い出させるのは、ダーウィンの言葉と言われる有名なセリフである。「生き残る種とは、最も強い種でも、最も賢い種でもない。最も環境に適応する種が生き残るのだ」。

欧州における男系男子のルーツ
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