Jekaterina Golubkova Kuba Stezycki
[30日 ロイター] - ウクライナで30日、ロシアによる弾道ミサイルなどの攻撃があり、首都キーウなどで少なくとも8人(訂正)が死亡した。攻撃は西部の都市リビウにまで及び、隣国ポーランドは領空防衛のため戦闘機をスクランブル(緊急発進)させた。
今回の攻撃は、ゼレンスキー大統領が訪米から帰国するタイミングで発生した。同氏は28日に訪米し、トランプ大統領とホワイトハウスで会談。会談後、トランプ氏がパトリオット迎撃ミサイルの製造ライセンス供与に同意したと明らかにしていた。
ロイターの関係者によると、キーウ市内では複数の爆発音が聞こえた。キーウのクリチコ市長は、幾つかの非居住用施設で火災が発生したとテレグラムに投稿した。ウクライナのほぼ全域で空襲警報が発令された。
緊急当局によると、キーウでは1人が死亡、2人が負傷した。ドニプロペトロウスク州とポルタワ州では、子ども2人を含む7人が死亡した。
ゼレンスキー氏の出身地である中部の都市クリブイリフでは5歳と12歳の少女2人を含む6人が死亡し、8人が負傷した。同市の防衛評議会トップ、オレクサンドル・ビルクル氏によると、ロシアの弾道ミサイル「イスカンデルM」の直撃を受けた。
ビルクル氏は、ロシア西部ボロネジ州から発射されたミサイルが大家族の住宅を直撃したと説明。救急隊員ががれきを撤去する中で死者数が増える恐れがあると警告した。
ポーランドに近い西部の都市リビウでは、ロシアのミサイルにより集合住宅2棟が損傷し、15人が負傷したと地元当局が明らかにした。
ゼレンスキー氏は前日、ロシアによる大規模な攻撃が行われる可能性が高いと警告していた。
同氏はテレグラムへの投稿で、ウクライナ国民の安全は同盟国がミサイル防衛システムを提供する意思にかかっていると強調。「パートナー諸国が現状を十分に理解し、人々の命を守れるかどうかは防空ミサイルを提供する意思があるか否かに直接かかっていると認識することが重要だ」と訴えた。
欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の加盟国で、ウクライナと国境を接するポーランドにもロシアの巡航ミサイル「Kh101」が未明に侵入した。ウクライナのシビハ外相が明らかにした。
ポーランド軍は、未確認の物体がポーランド領空で探知されたとして戦闘機を緊急発進していた。当局によると、東部ルブリン県で爆発音の通報があり墜落跡とみられる農地で幅10メートルほどのクレーターと飛散した破片を発見した。
トゥスク首相は、「あらゆる兆候はロシアの弾道ミサイルKh─101だったことを示している。無人地帯に落下したため直接の脅威はなかったが、飛行を続けていた場合は撃墜する用意があった」と述べた。その後、墜落現場を訪れ「標的がポーランドだったと考える理由はない」と語った。
一方、ロシア西部の都市ペンザでは、ウクライナのドローン(無人機)攻撃を受けてオンライン小売り大手ワイルドベリーズの倉庫で火災が発生した。ペンザ州のメルニチェンコ知事がテレグラムに投稿した。
知事によると、この攻撃で1人が負傷し、約200人が現場から避難した。ウクライナによる攻撃の頻繁な標的となっている同社は、前日にも中部の別の施設から従業員を避難させていた。
ワイルドベリーズはテレグラムで、ペンザへの攻撃後にサプライチェーン(供給網)を再編したと明らかにした。
同社や地元当局によると、ここ数日のドローン攻撃でワイルドベリーズの倉庫十数カ所が被害を受け、保管能力の約10%が失われた。同社のプラットフォームを利用する数万の中小事業者にも損失が及んでいる。