Marc Jones
[ロンドン 28日 ロイター] - 格付け会社フィッチは、2026年第3・四半期(7─9月期)の「世界のリスク見通し」で、主要な短期的信用リスクとして、人工知能(AI)投資負担への懸念を背景にした株価の調整などの動きと、米イラン交戦に伴う不確実性の二つを挙げた。フィッチは「AI投資の規模は極めて大きく、経済や資本市場全体が影響にさらされるリスクが顕著だ」と指摘した。
巨額投資の資金調達を巡る懸念や中国の新興AIなどとの競争激化を背景に、アジアのAI関連株は28日、再び大きく値を下げた。
フィッチによると、米S&P総合500種指数の景気循環調整後の株価収益率(CAPE)は、1990年代後半のドットコム・ブーム時の水準に近づいている。AI関連の資金調達などで、米企業の社債発行額は2026年上半期に急増した。フィッチは、IT投資の拡大は26年第1・四半期(26年1─3月期)の米国内総生産(GDP)成長率に1.4%ポイントの押し上げ効果をもたらしたと推計。株価の上昇も家計支出の下支えにつながった。
一方、AIがもたらす企業収益面での不確実性のほか、規制や競争、労働市場の混乱が、長期にわたる調整局面などを招く可能性がある。フィッチは「資本市場と経済がAIと関連性が高まり、信用の脆弱性につながっている」と述べた。
フィッチは、26年の世界経済成長率は2.4%に鈍化し、エネルギー価格高騰の影響で米インフレ率は年末時点で3.7%で高止まりすると予想している。
今年発生したエルニーニョ現象も、干ばつや洪水、暴風雨を誘発する可能性が高く、信用リスクとして指摘。インフレ圧力を悪化させる恐れがあるとした。債務負担が重く投資不適格「ジャンク級」とされた国々は、食品価格の高騰が財政をさらに圧迫する恐れがあるなどで、特に厳しい運営を迫られると言及した。