David Lawder
[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米政権が24日、60カ国・地域からの輸入品を対象に10%または12.5%の新たな関税を発動した。各国から反発や困惑の声が上がっている。
24日に発動した関税は、米最高裁が2月に違法と判断した国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく「相互関税」を引き継ぐものとなる。各国が強制労働で生産された製品の輸入禁止措置を十分に講じていないことを理由とした。
中国は、あらゆる一方的な関税に反対すると表明し、貿易戦争はどの当事者にとっても利益にならないと指摘した。
欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相)はロイターに、強制労働対策が不十分だという指摘は「EUには当てはまらない」と強調。「われわれの労働法は米国のものと比較しても、有給休暇があるなど労働条件は非常に良い。だから(今回の関税措置には)実質的な根拠がない」と説明した。
オーストラリアとブラジルは、新たな関税措置は「不当」と批判し、撤廃を求める意向を示した。ノルウェーは、「根拠がない」と述べた。
20日に50%の関税賦課を通告されたカナダの反応は控えめで、ルブラン対米貿易担当相は「今後数週間にわたり、この問題やその他の未解決事項について、両国民の相互利益のために米国と建設的な対話を続けていく」と述べた。
<EU、特例措置「評価」>
欧州委員会の報道官は、EUに10%の特例措置が適用されたことを受け、グリア米通商代表部(USTR)代表が、貿易協定によって米国の関税率に上限が設けられている国々については、新たな関税も上限を超えることはないと約束していたことに言及し、「今回の結果が『米EU共同声明』の下で合意された米国の関税に関する約束に沿っているという事実を肯定的に評価する」と述べた。さらなる関税免除の検討や協力の深化に向けた取り組みを継続するための「前向きな勢い」をもたらしたとした。
フランスのフォリシエ貿易担当相は、新関税の法的根拠に疑問が残るものの、企業はより明確な見通しを持てると述べた。
スイス政府は、強制労働調査の根拠となっている主張には異議を唱えつつも、米国が関税上限(スイスは最大12.5%)に関する過去の公約を順守していると述べた。
英国は、今回の措置による影響はないとの見解を示した。英政府報道官は、米国との合意は引き続き有効だと述べ、ウイスキーのゼロ関税や医療技術分野を含め、英国の対米貿易条件は改善していると説明した。
英商工会議所は、新たな関税措置は「一長一短」と評した。ウイスキーに対する米国の関税撤廃が確認されたことや、鉄鋼の関税率が競合国よりも低くなったことは歓迎できるが、その他の品目についてはEU、その他の国に対する比較優位性を失うことになると指摘した。
元EU首席交渉官で現在はシンクタンク、ブリューゲルのシニアフェローを務めるイグナシオ・ガルシア・ベルセロ氏は、米国が過剰生産能力に関するさらなる301条調査で追加関税を課す可能性があると指摘した。この調査はEU、中国、インド、日本、韓国、スイスなど16の貿易相手国・地域が対象となっている。