[ロンドン 24日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめたユーロ圏の7月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は、新規受注の回復を背景に4カ月ぶりに好不況の分かれ目である50を上回った。ただ、中東情勢が再び緊迫化していることから、景況改善は一時的との見方が出ている。

同指数は51.9と6月の50.0から上昇し、5カ月ぶりの高水準となった。ロイター調査では50.3への小幅な上昇が予想されていた。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「7月はユーロ圏の経済活動に歓迎すべき回復が見られる。ただ不安定な地政学的環境を踏まえると、この良いニュースが持続するかは不透明だ」と述べた。

キャピタル・エコノミクスのヘンリー・チェンバース氏は、7月の総合PMIは上昇したが、足元の中東紛争再燃、それに伴うエネルギー価格上昇を踏まえると短命に終わる可能性があると指摘した。

新規受注指数は2月以来初めて50を上回り、2023年4月以来の高水準となった。輸出受注を示す指数は50を下回ったものの、2022年3月以来の高水準だった。

PMIの回復には製造業とサービス業の双方が寄与した。サービス部門PMIは51.6と、4カ月ぶりに50を上回り5カ月ぶりの高水準となった。低下を予想していたロイターの市場調査に反する結果となった。前月は49.4だった。

製造業PMIは前月の51.4から52.0へ上昇し、ロイター調査の予想(51.5)を上回った。生産は52カ月ぶりの高水準を記録した。

ユーロ圏最大の経済国であるドイツの総合PMIは4カ月ぶりに50を上回った。フランスの総合PMIは50を小幅に下回ったものの前月から上昇した。ドイツとフランスを除くユーロ圏では、8カ月ぶりの高水準となった。

雇用は数カ月にわたる減少から増加に転じた。ただサービス部門で増加した一方、製造業では削減が続いたため、全体の増加は小幅だった。

全体の投入コストの伸びは、イラン戦争が勃発した2月以来の低水準となったが、依然として強い圧力が残っている。販売価格の上昇ペースも鈍化した。

ウィリアムソン氏は「第2・四半期はおおむね停滞したが、7月には需要がある程度回復した」と述べた。PMIの水準に基づくと、ユーロ圏の域内総生産(GDP)は前期比0.3%という比較的堅調な成長ペースになったとの見方を示した。

これに対し、オックスフォード・エコノミクスのパオロ・グリニャーニ氏は「調査に見られる強さはすでに過去のニュースだ」と指摘。「PMIから得られる唯一の意味のある結論は、第3・四半期が堅調な勢いで始まったということだが、その勢いは急速に衰え、下半期の成長に対するリスクバランスは下振れ方向に傾く」と予想した。

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