Yantoultra Ngui Rae Wee Xinghui Kok
[シンガポール 24日 ロイター] - シンガポールの政府系ファンドGICは今後3年間でヘッジファンドに300億ドルを追加投資する。経営陣が24日明らかにした。人工知能(AI)分野で分散投資を進める方針も示した。同日発表した長期運用実績は2020年以来の低水準となった。
ブライアン・ヤオ・グループ最高投資責任者(CIO)はグローバルマクロ、クオンツ、マルチストラテジーの各ファンドに投資機会があるとの見方を示した。GICの世界のヘッジファンドへの投資額は過去10年間で3倍に増えたと述べた。
3月末までの20年間の実質運用利回りは3.4%と、前年の3.8%から低下し、2020年の2.7%に次ぐ低水準となった。
グローバルSWFのディエゴ・ロペス創設者兼マネジングディレクターは、26年単年度の利回りは22%に達し、3月末時点の運用資産残高は9360億ドルから1兆1600億ドルに増加したとの見方を示した。同氏は「非常に好調な1年だった」と述べ、米市場、株式、テクノロジー分野への比重を高めたことが功を奏したと分析した。
GICによると、3.4%の実質利回りは運用する準備資産の実質価値が20年間でほぼ2倍になったことを意味する。インフレ調整前の名目ベースでは3倍に増えた。米ドル建ての年率名目利回りは5.6%だった。
GICの幹部らはAIインフラ、AI製品を開発する企業、自社業務の改善にAIを活用する企業に分散投資していると説明した。半導体やデータセンター、電力、AIモデルへの投資ラッシュにより、長期的な勝者を見極めるのは難しくなっていると指摘した。
<投資枠組みを刷新>
GICはまた、市場予測が困難になる中で資金配分の柔軟性を高めるため、4月1日から新たな投資枠組みへの移行を開始したと明らかにした。新たな枠組みではポートフォリオを株式、債券、実物資産に分類し、それぞれ成長、収益、インフレ耐性への投資を担う。
3月末時点で、株式はポートフォリオの56%を占め、前年の51%から上昇した。債券は26%から22%に低下し、実物資産は22%とほぼ横ばいだった。地域別では米州への配分が53%と引き続き最大だった。