Ahmad Ghaddar Robert Harvey
[ロンドン 23日 ロイター] - サウジアラビア国有石油会社サウジアラムコが、エジプト地中海沿岸のシディ・ケリル港からの原油積み出しを拡大している。イエメンの親イラン武装組織フーシ派による「海上封鎖」宣言を受け、紅海南端のバベルマンデブ海峡を通過する輸出ルートのリスクが高まっていることへの対応とみられる。5人の取引関係者が明らかにした。
関係者の話では、追加の積み出し分はサウジ産原油をエジプトのスエズ運河の南端に近い紅海沿岸アイン・スクナ港へ輸送した後、スエズ・地中海パイプラインを経由してシディ・ケリル港へ送る形で供給される。一部はスポット取引向けとして提供され、従来の長期契約顧客向け供給を補完する形だという。
アラムコは以前から欧州や北米の一部顧客向けにシディ・ケリル港から原油を供給しているが、追加供給は販路へのアクセスを柔軟化する狙いがあるもよう。フーシ派はバベルマンデブ海峡を通過するサウジ産原油輸出を攻撃対象にすると表明している。
アラムコはコメントを拒否した。
関係者の1人は「(シディ・ケリル港からの)供給余力が増えており、長期契約の顧客に対してスポットカーゴを提供している」と述べた。
ロイターは追加供給される原油の数量や価格については確認できなかった。
サウジは、米国・イスラエルとイランの戦争でホルムズ海峡経由のペルシャ湾岸地域からの原油輸出に支障が生じて以降、紅海沿岸のヤンブー港を経由した原油輸出を増やしている。
ただフーシ派は23日、紅海でサウジアラビアの石油タンカー2隻を攻撃したと主張。その後サウジ国営メディアは、攻撃を受けた船舶のうち1隻で火災が発生したと報じた。紅海での安全保障上の脅威の高まりを受け、一部の石油タンカーは航路を変更し、紅海北端のスエズ運河方面へ向かっている。