[ニューヨーク 23日 ロイター] - ニューヨーク外為市場でドルが対円で 一時163.98円まで上昇し、1986年11月以来のドル高・円安水準を付けた。ドルはユーロに対しても上昇。中東情勢の緊迫化を背景にした原油高のほか、欧州中央銀行(ECB)が政策金利の据え置きを決定したことがユーロの重石になった。
終盤の取引で、ドル/円は0.41%高の163.79円。日銀が主要国の中央銀行に比べて利上げに慎重な姿勢を維持するとの見方が円の重石になっている。LSEGのデータによると、市場では日銀が年内に実施する利上げ幅は合計0.25%ポイント程度との見方が織り込まれている。
片山さつき財務相は23日、ドルが163円台での推移を続けていることについて、為替の水準についてはいつもと同様に具体的なコメントはしないと述べた上で「私たちの姿勢は全く変わっていない。必要に応じ、必要があれば果断に行動する」と語った。
ゴールドマン・サックスのシニア・ジャパンリサーチ・エコノミックアドバイザー、アキラ・オオタニ氏は日銀について「7月会合では政策を据え置き、次回の利上げは来年1月になるとの見方を変えていない」と指摘。同時に、利上げの時期は「市場動向や政府とのコミュニケーションの進展に大きく左右される可能性が高い」とした。
米国では中東情勢の緊迫化を背景にした原油高を受けインフレ懸念が再燃したことで、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに動くとの見方が高まり、ドルの押し上げ要因になっている。米経済は欧州や日本に比べてエネルギー価格上昇の影響を受けにくいと見られていることもドル高要因になっている。
この日はイエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海でタンカーを攻撃したことを受け供給不安が高まり、北海ブレント先物が一時1バレル=100ドルまで上昇した。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.36%高の101.47。
ユーロ/ドルは0.33%安の1.1372ドル。
ECBはこの日に開いた理事会で、政策金利である中銀預金金利を予想通り2.25%に据え置くと決定。同時に、中東での紛争再燃によるエネルギー価格急騰によるインフレ上振れリスクを踏まえ、9月の追加利上げの可能性に含みを残した。
FXストリート(ニューヨーク)のシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は「ラガルドECB総裁は景気減速リスクもインフレ上振れリスクも高いと述べたが、こうした状況にもかかわらずECBが利上げに踏み切らない場合、当然、ドル相場は一段と上昇する」としている。
ドル/円 NY終値 163.85/163.86
始値 163.37
高値 163.98
安値 163.37
ユーロ/ドル NY終値 1.1376/1.1378
始値 1.1403
高値 1.1406
安値 1.1365