[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は23日、予想通り政策金利を据え置いた一方、9月の追加利上げの可能性に含みを残した。エネルギー価格の再上昇でインフレが目標の2%を大きく上回る水準にとどまる恐れがでている。中銀預金金利は2.25%に据え置いた。

ラガルドECB総裁の理事会後の記者会見での発言は以下の通り。

<反応関数>

われわれの反応関数は市場に十分理解されていると認識している。それが的確に説明され、簡潔に述べられ、少なくとも市場に理解可能なものとなっていることは、われわれが進もうとしている極めて不透明な状況下で安定をもたらす要因となっている。

<米・イラン間の覚書>

(米国・イラン間で)再び同様の覚書が発表されたとしても、同じ影響を持つことはないだろう。不透明感は高まっており、それはあらゆる面に及んでいる。ただ、状況が急転換することもあるため、こうした穏やかなシナリオが実現する可能性を肯定することも否定することも難しい。現時点では、その可能性はかなり低いように見える。

<立証責任>

立証責任はデータの側にある。それだけのことだ。

<最低準備率>

今回の理事会では最低準備率は議論されなかった。だからといって、今後議論されないという意味ではない。

<ラガルド氏のECB早期退任について>

理事会では議論されなかったが、2点だけ申し上げる。まず第1に、2027年より前に私がいなくなることはない。第2に、以前申し上げたように、地平線に暗雲が見えるとき、船長は船に残り続けるものだ。

<二次的影響は見られず>

われわれ全員に明らかなのは、直接的な(インフレへの)影響があるということだ。例えば、運輸価格を見れば直接的な影響があるのは明白だ。しかし二次的影響については、われわれは確認していない。

<全会一致の決定について>

われわれはデータと足元の動向を綿密に精査し、今後数週間、状況の推移を注意深く見守りながら待つことができる適切な位置にあると全会一致で判断した。

<一部の理事は利上げ検討を提案>

全会一致の決定だったが、補足すると、今回の理事会で利上げ、つまり主要3金利の引き上げを検討すべきかと自問した理事も一部いた。

<エネルギーショックの検証>

われわれは、エネルギーショックが発生した際に合意している手法を実際に適用した。つまり、供給ショックの密度、持続性、波及効果を理解しようとすることだ。その結果、今回金利を据え置くという決定を下すに至った。

<6月以降の穏当な動き>

6月の理事会以降、比較的穏当な動きが続いている。インフレ率を見れば、予想よりもはるかに低い水準で推移している。

<金融環境はやや引き締まり>

全体として金融環境は前回の理事会以降、やや引き締まっており、これはECBの主要政策金利の引き上げと整合的である。銀行が顧客の経済リスクへの懸念を強め、自らリスクを取ることに消極的になったため、住宅ローン貸し出し基準は第2・四半期に厳格化された。消費者信頼感の悪化と金利上昇を背景に、住宅ローンの需要は減少した。

<インフレ>

現在進行中の熱波や、より広範な気候変動と自然災害などの異常気象は、食料価格を予想以上に押し上げる可能性がある。対照的に、中東紛争の持続的な解決が実現したり、間接的・二次的な影響が予想よりも小さかったりした場合は、インフレ率はより低くなる可能性がある。

<インフレの上振れリスク>

インフレ見通しのリスクは上振れ方向だ。エネルギーショックはさらに深刻化する可能性があり、他の物価や賃金への影響は現在の想定より大きくなる恐れがある。

エネルギー価格の高止まりが長引けば長引くほど、間接的および二次的な影響を通じてより広範にインフレを押し上げる公算が大きい。

<成長の下振れリスク>

紛争は依然として大きな不確実性の要因となっている。そのため、われわれはエネルギー価格上昇の規模と持続性、それが物価や賃金決定、インフレ期待、全体的な経済動向にどのように波及するかを注意深く監視している。成長見通しのリスクは下振れ方向にある。

<エネルギーショックが価格を押し上げ>

エネルギーショックは引き続き価格上昇に波及している。企業にとって原材料の調達コストは上昇しており、そのため販売価格の引き上げが予想される。基調インフレの動向は抑制されているものの、エネルギーショックの全面的な影響はまだ顕在化していない。

<デジタルサービスは堅調>

調査によると、サービス部門の活動はエネルギーショック後に著しく低迷した後、部分的に回復している。デジタルサービスは堅調に推移しており、その一因は人工知能(AI)関連活動の寄与が高まっていることにある。

<控えめな成長見通し>

先行指標は、エネルギーショックとそれに伴う不確実性の影響で、短期的には経済成長は控えめな水準にとどまることを示唆している。ただ、中期的な成長の基本的な原動力は損なわれていない。

<経済活動の若干の改善>

中東紛争が引き続き逆風となっているものの、(最近のデータは)第2・四半期に経済活動が若干改善したことを示している。

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