Jonathan Landay Gram Slattery Timour Azhari

[ワシントン/リヤド 22日 ロイター] - イランがドローン(小型無人機)を使用して湾岸地域にある米中央情報局(CIA)の施設を攻撃したことを受け、ロシアが標的情報や高度なドローン技術を提供する形で攻撃を支援した可能性について、米情報当局が調査を進めていることが分かった。

米情報機関の事情に詳しい4人の関係筋が匿名を条件にロイターの取材に応じた。CIA施設への攻撃にロシアが関与した可能性について、米情報当局は現時点で確たる結論には至っていないものの、攻撃が有効で精度も高いことに加え、ロシアがイランに幅広い技術支援を行っていることを踏まえると、こうした攻撃にロシアが関与した可能性があるとの見方を示しているという。

ロイターなどの報道機関の取材によると、ロシアは湾岸地域での米国関連施設への攻撃を巡り、イランに標的情報などの支援を提供しており、米政府当局者もこれを確認している。ただ、CIA施設への攻撃に対するロシアの関与の可能性について米情報機関が調査していることは、これまで明らかになっていなかった。

ロイターなどの報道によると、3月に少なくとも2つのCIA関連施設が攻撃を受けた。1つはサウジアラビアの首都リヤドにある米大使館内のCIA支局で、もう1つはイラク東部にある施設だった。一部の関係筋はこれ以外にもCIA関連施設が攻撃を受けたとしているが、詳細は明らかにしていない。

西側情報機関の内部メモにアクセスのある地域当局者によると、ロシアが湾岸地域のCIA施設の標的選定に関与した可能性が高いと結論付けられていた。また、湾岸地域で情報報告書の説明を受けた西側当局者2人によると、サウジの米大使館への攻撃にイランの無人機「シャヘド」をロシアの技術で改良した2機が使用されたと情報分析官は考えている。1機の突入で大使館外壁に穴が開き、その後、別の1機がその開口部から内部に侵入して爆発したという。死傷者は報告されていない。

ロシアによるイラン支援は、両国の緊密な関係を背景に長年続いていることが知られている。ただ、機密性の高いCIA施設の標的選定にまで関与していたとすれば、ロシアが米国の活動を妨害するため、一段と踏み込んだ行動を取る用意があることを示す可能性がある。

ロシアがイランに標的情報を提供している可能性があるとの懸念は、イランがヨルダンにある米軍基地を攻撃し、弾道ミサイルで陸軍兵舎を標的とした結果、米兵が死亡したことを受け、一段と強まっている。

米ホワイトハウスはロイターの取材に対し、CIAに照会するよう要請したが、CIAはコメントを控えている。国連のイラン代表部、ロシア国防省、サウジ政府からコメントは得られていない。

<秘匿性の高い施設>

関係者によると、ロシアはイランに衛星航法システム「コメタM」を供与することで、シャヘド136の精度向上を支援している。専門家によれば、同システムはイラン製よりはるかに正確で、電波妨害も受けにくい。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは3月、ロシアがイランに「コメタM」を提供したと初めて報じた。ロシア大統領府はこの報道を否定し、「フェイクニュースだ」と述べた。

在外CIA施設には、伝統的に大使館内に設けられ「支局(ステーション)」と呼ばれる各国での主要拠点が含まれる。このほか、CIAは事務所、隠れ家、物流拠点、監視やその他の活動に関わる施設を維持している。

これらの拠点の所在地は厳重に秘匿されている。

関係者はイランのドローン攻撃を受けたCIA施設の正確な数や所在地を明らかにしなかった。ある関係者は「1カ所以上12カ所未満」と述べ、別の関係者は複数の施設が被害を受けたと語った。

一部の関係筋は、イランが米大使館全体を狙い、偶然にCIA支局に命中した可能性があると指摘した。

CIAの元支局長で秘密工作担当官だったダニエル・ホフマン氏は、両国の緊密な戦略的パートナーシップを踏まえれば、ロシアがイランのCIA施設への標的選定を支援しても驚くには当たらないと述べた。

「両国は自らの勢力圏と見なす地域で、米国の影響力を縮小、あるいは完全に排除しようとする点で利害を共有している」と語った。

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