David Lawder Emily Green
[22日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のグリア代表は22日、メキシコおよびカナダとの間で年内にそれぞれ「暫定的な」貿易協定を締結したいとの意向を示した。一方で、自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」における原産地規則の厳格化といったより難しい課題については、来年になって取り組む考えだ。
グリア氏は議会上院財政委員会の公聴会で「年内に少なくともカナダと1つ、メキシコと1つの取り決めを結びたい」と述べた。
自動車の原産地規則厳格化や、労働・環境規制といった課題については、より多くの時間と議論が必要になる可能性があり、来年に議会とも連携して進めることになると説明した。
この発言を受け、発効から6年が経過したUSMCAの全面的な見直し協議が来年までずれ込むことがほぼ確実になった。カナダとメキシコが緩和を求めてきた事業・投資環境の不確実性が長期化することになる。
グリア氏は暫定合意に向けて米国は「可能な限りのスピードで動いている」と述べ、トランプ大統領とメキシコのシェインバウム大統領、カナダのカーニー首相が年内に検討できる選択肢を用意したいと表明した。合意の具体的内容には言及しなかった。
メキシコで事業展開する企業に助言するモナーク・グローバル・ストラテジーズのマイケル・カムネス最高経営責任者(CEO)は「グリア氏の証言は、米国がUSMCAをそのまま更新することを目指していないことを確認するものだ」と指摘。「最も可能性が高い結果は、交渉を継続させつつも、最も難しい課題や投資の不確実性の多くは未解決のまま残す暫定的な政治合意だろう」と述べた。
トランプ氏は昨年、メキシコとカナダからの自動車に25%、鉄鋼・アルミニウムに50%の通商拡大法232条に基づく国家安全保障関税を課した。また今週には、カナダによる米自動車・金属関税への報復措置への「制裁」として、ビール、乳製品、ホッケー用スティックなど約200億ドル相当のカナダ製品に50%の関税を課すと発表した。