今年5月上旬、ウズベキスタンで韓国が初めて輸出した高速鉄道の営業運行が始まった。首都タシケントと西部のヒヴァを結ぶ約1020キロの路線で、移動時間が従来の15時間から約7時間と半分に。世界遺産に登録されたヒヴァの旧市街イチャン・カラを訪れる観光客の増加が期待されている。
今回韓国から輸出された車両は、KTX-イウム(EMU-260)をベースに設計された7両編成。最高時速250kmで走行、1編成あたり最大389名の乗客を収容できる。当面は週3往復で運行し、現代ロテムからの車両追加納入とともに順次拡充され、最終的に42両(7両編成×6本)で運行される見込みだ。
ガラパゴス化を招いた動力方式
韓国の鉄道車両メーカーの現代ロテム社は2002年にインドへ地下鉄車両を輸出したのを皮切りに、トルコやブラジル、カナダなどへ鉄道車両を輸出してきたが、高速鉄道の輸出競争には加わることはなかった。
その背景には動力方式の問題があった。鉄道には動力車が牽引する「動力集中方式」と複数車両に動力を分担させる「動力分散方式」がある。動力集中方式は製造コストを抑えられ、また編成の弾力的な運用に優れる一方、動力分散方式は勾配や加減速などに強く運用面で優位となる。
フランスのTGVは平坦な地形と車体の下に動力を設置できない国内事情から、前後に動力車を配置する準集中方式を採用しており、山間部が多い日本の新幹線は勾配に強い動力分散方式を採用する。日本と同じく山間路線や停車駅が多い韓国だが、従来KTXは動力集中方式を採用してきた。
世界の高速鉄道は8割以上が動力分散方式であり、動力集中方式を選択した韓国はあたかもガラパゴス化した形となり市場に参入する機会を得られずにいた。