Andrea Shalal Doina Chiacu

[ワシントン 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のチーフストラテジスト、クリスチャン・マムセン氏は15日、衝撃を受けやすい世界にあっても政府当局者が中期的な財政枠組みに焦点を当て、物価安定化に断固として取り組むように求めた。アトランティック・カウンシルでのイベントで発言した。

昨年10月に現職に就いたマムセン氏は「技術面では人工知能(AI)とデジタル金融が、私たちのほとんどが予想していなかったスピードで進んでいる。また地政学的には戦後の世界秩序がより分断された多極的な世界へ移行しつつある」とし、「世界経済はこうした圧力に直面しても、驚くほどの強靱性を示してきた。しかし現在進行中の変化の大きさは極めて高い不確実性をもたらしており、我々は予期せぬ事態を想定すべきだ」と警告した。

その上で、大きな変化が迅速に起きており、デジタル金融や非銀行系金融機関の台頭が新たなリスク要因となっていることを踏まえると、各国が財政・金融政策における安定性と信頼性を確保することがこれまで以上に重要となっていると強調。「ショックによって経済が軌道から外れた場合、信頼性の高い中期的な財政枠組みと、物価安定への確固たる取り組みを維持することが極めて重要だ」と訴えた。

また、急速に進む技術革新に対処することが極めて重要だとし、その一環としてAIによる急速な変革が包括的な成長につながることを確実にする必要があると指摘した。

一方IMFが政策に関して5つの大きな見直しを進めていることも明らかにした。それらには各国の経済評価の方法や、新規融資の仕組みなどの見直しが含まれていると説明。さらに低所得国の債務に関する持続可能性の評価、金融分野のリスクに関する警告能力の強化、世界貿易や経常収支の不均衡に関する評価の高度化にも取り組んでいると話した。

マムセン氏は各国がこうした課題の解決に向けてIMFと連携することを求めつつ、「問題なのは、大規模な構造的課題や新たな技術革命がより一層の国際協力を必要としているまさにその時に、世界の統治体制が分断しているということだ」と強調した。

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