[モスクワ 14日 ロイター] - ロシアで反戦を訴える反体制政治家ボリス・ナジェージュジン氏は14日、当局が自身の議会下院選挙に向けた選挙活動を妨害しようとしていると批判した。同氏は先週、政治活動の制約などがある「外国代理人」に指定されたほか、過激派コンテンツに関連したとされる交流サイト(SNS)投稿を巡り警察の事情聴取を受けた。
2024年の大統領選でプーチン大統領への対抗馬になろうとして結局立候補を認められなかったナジェージュジン氏は、今年9月に実施される下院選への出馬を目指し、立候補要件となる支持者の署名集めを進めている。
一方ロシア当局は10日、ナジェージュジン氏を「外国代理人」に指定。同制度は外国の影響下で反ロシア的活動を行っていると当局が判断した個人や団体に適用される。さらに13日には、過激派コンテンツへのリンクを含むとされるSNS投稿に関し、警察が同氏を一時拘束して事情を聴いた。
ナジェージュジン氏はロイターに、当局がインターネット規制やガソリン不足、ウクライナ侵攻などへの批判的な発言を封じ込めようとしていると主張した。
また今週公開した動画では、ウクライナでの戦争を「全く無意味な同胞同士の戦争」と表現し、現在の前線に沿った形での戦闘凍結を呼びかけた。
ウクライナ侵攻開始以降、反体制派や政府批判への取り締まりが強化されているロシアで行われる今回の下院選は、与党「統一ロシア」が優勢とみられる一方、選挙期間中は野党勢力が主張を訴える数少ない機会となっている。
停戦を訴えるリベラル系野党「ヤブロコ」は多数の候補者を擁立しているが、議席獲得の公算は乏しい。同党のマキシム・クルグロフ副議長は先月、ロシア軍に関する虚偽情報を拡散した罪で禁錮7年の判決を受けた。
ナジェージュジン氏は、過激派コンテンツへのリンクを掲載したとの疑惑を巡り17日に裁判所で審理を受ける予定。同氏は疑惑を否定し、心臓疾患を抱えているため、短期間の収監でも生命に危険が及ぶ可能性があるとも訴えている。
それでも同氏は14日に通信アプリ「テレグラム」へ「われわれは持ちこたえている。希望を失ってはいない」と投稿した。