監視対象はテロリストだけではない

辛抱・我慢・忍耐の三語がふさわしい地味な世界だ。「ちょっと体調が悪いんで……」というわけにはいかないため、心身ともに健康な状態でないと務まらない仕事なのである。

参考までに書き添えておくと、公安警察の「監視対象」はお主に以下のような個人・団体だそうだ。

 【公安警察のおもな監視対象】

・テロリスト(及びその兆候が見られる人物や団体)

・過激な言動を繰り返す左翼団体

・過激な言動を繰り返す右翼団体

・過激な思想の政治団体

・在日外国人の活動団体

・日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(革マル派)など

・過激な思想の宗教団体

・自衛隊(陸上・海上・航空すべて)(27〜28ページより)

「日本の治安を維持すること」が任務だとすれば、この監視対象にも納得はできる。本来であれば“治安を維持する側”であるはずの自衛隊が含まれるのは意外な気もするが、これにはきちんとした理由があるという。

自衛隊は「戦闘力」という大きな力を保持しているため、そこから重要な防衛機密が漏れたり、力を背景として日本の国体を揺るがすような行為に出ることが“ないとは限らない”。そこで、そうしたことがないように、管理や運用が正しく行われているかを監視するわけだ。

こういう話を聞くと、公安警察の必要性を理解できる気がする。

『警視庁公安部外事課――スパイ・テロを水面下で阻止する組織の実態』

 『警視庁公安部外事課――スパイ・テロを水面下で阻止する組織の実態

  勝丸円覚・著
  光文社新書

 

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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『この世界の中心は、中央線なのかもしれない。』(辰巳出版)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。

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