仕事は主に「監視」と「情報収集」

著者がかなり嫌な思いをしたであろうことが伺える一文だ。一般の警察の言い分も聞いてみたいところだが、ともあれそのような傾向はあるのかもしれない。

さて、話を戻そう。

ひと口に公安といっても、役割ごとに「国家公安委員会」「都道府県公安委員会」「公安警察」「公安調査庁」「公安審査委員会」といくつかの組織に分かれている。その中で一般的に「公安」と認識され、映画やドラマ、小説などに登場するのは「公安警察」と「公安調査庁」だそうだ。本書のテーマになっているのは前者である。

仕事は主に「監視」と「情報収集」に要約されるというから、基本的には地味な仕事なのだろう。

・対象の動きを把握するため、ひたすら定点から対象を監視する

・アジトや活動拠点を炙り出すため、尾行する

・協力者(ドラマなどで言うところの情報屋)と接触し、情報を収集する

・収集した情報の精度を高めるため裏取りを行ない、真偽を見極める

・常に新たな協力者を発掘、開拓するため、さまざまな人物にアタリをつける

・対象周辺における「ヒト・モノ・カネ」の動きを徹底的に調査する(26ページより)

定点から監視している姿にはなんとなくかっこいいイメージがあるし、よく聞く「情報屋」の存在を認められると、「やっぱり、そういう人がいるんだ!」とミーハーチックに興奮したくもなる(かもしれない)。

ところが、現実はそう単純ではない。例えば「定点監視」は、監視対象のわずかな変化を見極めなければならない。そのため何カ月、あるいは何年もかけて監視し、「この日だけは建物への人の出入りが少し多い」など、微細な動きをチェックする必要があるという。

監視対象はテロリストだけではない
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