[ブリュッセル 10日 ロイター] - エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、ノルウェーなどが将来的にエネルギー供給を拡大することに期待感を示し、北極圏での新たな石油・ガス掘削に反対姿勢を打ち出している欧州連合(EU)欧州委員会に対し、慎重姿勢を転換するよう促した。
EUは環境上の理由から北極圏での新規掘削の一時停止を打ち出している。ただエネルギー安全保障を巡る懸念を受けて、見直しを検討している。北極圏に豊富な資源を持つノルウェーは、一時停止を撤回するよう求めている。ノルウェーはEUに加盟していないが、欧州最大のガス供給国。
ビロル氏は9日、ブリュッセルで開かれたイベントで記者団に対し「欧州のエネルギー安全保障にとって極めて重要」な問題と述べ、「エネルギーを武器として利用しない」信頼できる供給国であるノルウェーの石油を世界が必要としているとの認識を示した。
ノルウェーのストルテンベルグ財務相は、「考慮すべき環境上の懸念はある」としながらも、米イラン交戦に伴う市場の混乱で、ノルウェーが生産水準を維持する必要性が浮き彫りになったと指摘。「北極圏で石油・ガス探査すべきでないと言うのは理にかなっていない」と述べた。
欧州は、最大のガス供給国だったロシアからの石油・ガス輸入を2027年末までに段階的に廃止し、信頼できる供給元からの再生可能エネルギーと化石燃料の組み合わせで対応する方針だ。ただ北極圏での新規開発には10年以上の時間を要するため、現在直面する事態の解決には効果が限定的だとの主張もある。