トランプ政権は5月になってようやく、4月中旬までにアメリカ開催試合のチケットを購入し、「FIFAパス」に登録した人については保証金を免除すると発表した。だがセネガルとコートジボワールに対しては観光ビザの発給が停止されているため、実質的な救済にはならない。

ほかの開催国も、状況は似たようなものだ。カナダもこれらアフリカ・中東諸国のサポーターにはビザ取得を義務付けており、その条件はアメリカ以上に厳しい。

メキシコはアメリカやカナダ、イギリス、日本、そしてシェンゲン協定加盟国の有効なビザを持つ旅行者にはビザを免除している。しかしハイチやイランのようにアメリカへの入国を認められない国のサポーターは、メキシコに新規のビザを申請しなければならなかった。

チュニジアはグループリーグ3試合のうち2試合をメキシコで戦い、セネガルとコートジボワールはそれぞれ1試合をカナダで戦った。だが、どの開催国でもビザという高い壁が待ち受けていた。サポーターの入国手続きを簡素化してきた過去のワールドカップとは大違いだ。

一国の代表チームには、その国が理想とする自国の姿が投影されるという。

しかし今年のW杯が映し出したのは、もっと複雑でリアルな国家の姿だ。この4年に1度のサッカーの祭典には、祖国に残る人も祖国を離れた人も、そしてその両方の血を受け継ぐ人も集まった。しかしそこには今の世界の移住と分断、機会と格差が色濃く影を落としている。

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