カリブ海に浮かぶ島国ハイチが、初めてW杯に出場したのは1974年。当時の代表チームに選ばれた22人の選手は全員、国内で生まれ育っていた。そして1人を除けば、みんな国内のクラブに所属していた。
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それから50年以上たった今回、2度目の本戦出場を果たして6月13日の初戦に臨んだ選手26人のうち、16人は外国生まれで、その大半は北米や欧州のクラブでプレーしていた(ルール上、父母または祖父母にハイチ人がいればハイチ代表になれる)。国内のクラブに所属する選手は1人のみ。ちなみに代表チームの監督でフランス人のセバスチャン・ミニェは、一度もハイチ国内に足を踏み入れることなくチームをW杯に導いた。
外国生まれの選手に頼らざるを得ない事情が、ハイチにあったのは事実。経済の低迷や政治の混乱、度し難い治安の悪化で、同国では有能な人材の国外流出が続いている。2021年に現職大統領が殺害されてからは、もはや国内で代表チームの試合を開催することも不可能になり、代表チームは拠点をアメリカのフロリダ州などに移し、W杯予選のホームゲームも同じカリブ海の小さな島国キュラソーで開くしかなかった。
しかし、外国生まれの選手に頼っているのはハイチだけではない。北中米3カ国共同開催の今大会では、多くの代表チームで外国生まれの選手が活躍している。この傾向が顕著になったのは80年代以降で、グローバル化の進展に伴い、サッカー界でも国境を越えて自由に活躍の場を求める選手が増えたことの結果と言える。