Takahiko Wada

[東京 24日 ロイター] - 日銀が利上げを決めた15―16日の金融政策決定会合では、先行きの利上げについて、早期に行うべきとの意見が複数出されていた。機動的な政策判断が行えるように「可能な限り早く中立金利に近づけていく必要がある」といった意見や、急激・大幅な利上げを避けるには「政策金利を中立金利に早めに近づけるべき」として、中立金利2%程度を念頭に「数カ月に一度のペース」で利上げを検討していくのが望ましいとの意見が出された。

日銀が24日、決定会合で出された主な意見を公表した。日銀は同会合で、7対1の賛成多数で利上げを決めた。

決定会合では、経済が日銀の中心的な見通しにおおむね沿って推移する一方で、原油高を起点とする値上げが幅広い品目に波及したり、基調的な物価上昇率が2%目標を超えて上振れるリスクがあることを踏まえれば「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切だ」との意見が出された。「為替要因からも輸入価格が上昇している」と話し、「こうした物価上昇が経営負担増となる企業は中小・零細を含め相応にある」として、政策調整を支持する委員もいた。

今回の利上げで政策金利は1%となり、日銀の自然利子率の推計値に基づく中立金利の推計レンジ1.1―2.5%の下限付近となった。決定会合では、利上げ後も「金融環境は引き続き緩和的」だとして「経済・物価が見通し通りに推移すれば、利上げを進めていくというこれまでの方針を維持すべき」との意見もあった。

浅田統一郎委員は中東情勢の影響について、物価の上振れリスクよりも生産・雇用の下振れリスクの方が大きいとして政策金利の据え置きを主張した。植田和男総裁は入院で決定会合を欠席し、議決に参加しなかったが、書面で意見を提出しており、「主な意見」に反映されているとみられる。

<国債買い入れ減額停止、「長期金利の押し下げ効果維持」との声も>

決定会合では、国債買い入れについても議論された。月間買い入れについて、2027年1―3月に2.1兆円まで減らしていく計画を維持する一方で、同年4月以降は減額を停止し、月2兆円程度の買い入れを継続することを賛成多数で決めた。

買い入れ減額の進展で「国債市場の機能度は着実に改善してきている」と評価する一方で「本邦投資家が国債保有を無理なく増やしていくためにはある程度の時間を要する」とし、「従来と同様の減額を継続した場合には、市場の安定に不測の影響を及ぼす可能性がある」と述べて27年4月以降の減額停止を支持する意見が出た。「ストック効果を通じた長期金利の押し下げ効果をなるべく維持する」ことを減額停止支持の理由に挙げる委員もあった。

その一方で、ある委員は「国債市場に混乱は生じておらず、買い入れ額の減額を停止すべき理由は全くない」と主張。「国債買い入れの狙いが財政ファイナンスや長期金利の引き下げと市場に受け取られると、市場にバイアスを与え、日銀の信認に悪影響を及ぼすことになりかねない」と警戒感を示した。

決定会合では、田村直樹委員が28年1―3月まで引き続き月間買い入れ額を四半期ごとに2000億円ずつ減らすべきだとして、減額の停止に反対した。

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