イラン戦争におけるトランプ米大統領のひどい負けっぷりは、中間選挙で最も重要な2つの上院選にはっきりと反映されそうだ。私の長年の友人である民主党のアブドル・エルサイードは、ミシガン州の世論調査で共和党候補を大きくリードしている。私と同じジョージタウン大学出身のジョン・オソフは、ジョージア州で再選に向けて優位に戦いを進め、次の民主党大統領候補とみられている。

トランプ本人も、自身の将来を左右する中間選挙の厳しい見通しを理解している。イラン戦争の終結を急ぐのは、2つの選挙の情勢不利を悟っているからだ。この戦争でガソリンなどの価格は上昇し、アメリカの納税者に最大1300億ドルの負担が生じており、大統領任期最後の2年間には暗雲が立ち込める。

中間選挙で下院の過半数を失えば、3度目の弾劾訴追と、家族の金融取引をめぐる厳しい追及は必至だろう。さらに上院まで失えば、完全にレームダック化する公算が大きい。選挙で頼りにならないことが分かれば、相当数の共和党上院議員が離反して下院の弾劾訴追に賛成し、大統領罷免に至るという事態もあり得る。

イラン戦争はトランプの選挙における神通力を大きく損なった。共和党議員はガソリン価格高騰で有権者がどれほど苦しみ、怒っているかを語り合っている。

アメリカでは、イラク戦争の結末は史上最悪なのではないかとの見方が広がっている。今回の「合意覚書」はトランプが破棄したオバマ元大統領時代の「イラン核合意」の成果をはるかに下回る。しかも、その結果を得るために約600人のアメリカ人が死傷し、数百億ドルの軍事費が使われた。

最も深刻なのは、イランが人類史上最強の超大国の攻撃を耐え抜き、世界経済を人質に取れることを如実に見せつけたことだ。選挙への影響を恐れるアメリカがホルムズ海峡の封鎖解除のために軍を投入しないと分かった今、「自国版のホルムズ」を探す勢力が一気に増えても不思議ではない。

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【note限定公開記事】ブッシュにもオバマにも及ばず...イラン戦争が映したトランプの限界

 

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