Solomon Cefai
[シンガポール 20日 ロイター] - 5月中に中国から日本へ輸出された強力な磁石に使用される数種類のレアアース(希土類)はごくわずかで、台湾問題を巡る日中の外交的な摩擦に起因する供給不足が長期化していることが、20日公表されたデータで判明した。
日本のレアアース磁石メーカーは中国を除き世界最大。ただ他国のメーカーと同じく、いわゆる「重レアアース」と呼ばれる重要資源の輸入を中国に圧倒的に依存している。
特殊合金やコーティングに使用されるジスプロシウム、テルビウム、イットリウムなどのレアアースや、幾つかの用途が限られたレアメタル(希少金属)に対する輸出規制は、中国にとって最も効果的な外交手段の一つとされる。
20日に発表された5月の中国税関データによると、日本へのテルビウムや酸化ジスプロシウムの出荷は昨年11月以来途絶えており、酸化イットリウムの出荷も昨年12月以降はごくわずかな量にとどまっている。
中国政府は昨年4月に数種類の重レアアースとそれらを含む磁石への輸出規制を導入。今年1月には日本向けの輸出規制を公に強化し、翌月には主要な複合企業を対象にさらに2回にわたって規制を強化した。
こうした輸出規制によって一部の磁石の入手が困難になっており、重レアアースの新たな供給源を確保しようとする日本企業の投資ラッシュを引き起こしている。
直近では、レアアース磁石メーカーの信越化学工業が、新しいレアアース精製施設の建設を計画していると発表した。
日本はまた、中国以外では世界最大の半導体用金属ガリウムの消費国だが、これは5月に昨年12月以来となる中国からの大規模な出荷があった。
数カ月にわたって過去最高水準に近かった中国のレアアース磁石の輸出は、5月になって前月比で35%減少している。