遠隔バイブで売り上げ1億6000万ドル
一方、女性向けで現在最も成功しているハイテク・アダルトグッズは「ラッシュ4」だ。シンガポール企業ラブンス(Lovense)が広東省深圳で製造する遠隔バイブレーターで、インターネット経由でバイブのオンオフや強度を指示できる。
今やアダルト配信の必須アイテムとなっており、視聴者が課金すると、配信者のバイブが数秒間振動するといった使い方がされている。ライブ配信での利用は特許取得済みで、同社は年間売り上げ1億6000万ドル(約250億円)を達成している。

ラブンスの誇るハイテクアダルトグッズ「ラッシュ4」 TORU HANAI FOR NEWSWEEK JAPAN
とはいえ、テクノロジーを売りに自社ブランドを展開する企業ばかりではない。
展示会には各種のアダルトグッズメーカーが出展していたが、主催者によると、日中関係の悪化から一部の中国企業が出展を取りやめたという。それでも出展企業全体の7割近い約70社の中国企業がブースを構えており、その大半がOEM(相手先ブランドによる委託製造)企業だった。
私は今後、OEMを使って独自のアダルトグッズを販売するポルノ系インフルエンサーが台頭する可能性が高いとみている。なぜか。
ポルノ系インフルエンサーの主な収益源は写真や動画のデジタルコンテンツが主流だが、他の分野の歴史が示すとおり、コンテンツ販売はトップが寡占する。中小のインフルエンサーが生き残っていくためには、より利潤が大きい物品販売に進出するしかないのではないか。
OEM企業側もその動きを歓迎するだろう。韓国ブランド・センスボディ(SENSBODY)の李永虎(イ・ヨンホ)氏は「販売力があるインフルエンサーならぜひ組みたい」と熱意を示した。
同社はセクシー女優・七瀬アリスなど実在の人物の陰部を型取り、細部まで完全に再現したオナホールを販売している。耐久性よりも体感優先で壊れやすいというが、それでも88ドル(約1万4000円)とかなりのお値段だ。AIとの連携ではなく、独自のシリコン技術一本で高価格商品を仕上げるという匠の心意気を感じさせる製品だ。

シリコン技術で勝負するセンスボディの出展ブース TORU HANAI FOR NEWSWEEK JAPAN