在宅緩和ケア医として多くの死を見つめ、自らの実体験を綴った『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者・岡山容子さん。その実妹であり、瑞々しい筆致で母との最期の日々を描いたエッセイ『母の旅立ち』(CEメディアハウス)の著者・尾崎英子さん。

姉妹として同じ母親「淑子さん」を看取った対談の後編では、直面する介護との「適切な距離感」や、子世代が困らないための「人生会議」の進め方、そして最期まで自分を貫いた母親の見送り方について語り合った。

親子の距離感――「親を捨ててもいい」という選択肢

——終末期だからといって、深くかかわれるわけではない……たしかに、納得です。岡山さんの帯文にも「親は捨ててもいい」「無理をせず、距離をとる」という文字もあります。

岡山: 親について、100%好きだという人や100%嫌いという人もいるけど、多くの人はちょっと好きだけどちょっと嫌いだったりすると思います。それは健全なことかと思います。

一生懸命しなくちゃという気持ちと、やっぱりちょっと無理と思う気持ちが両立するのは、当たり前の健全なことだと思うんです。親子の形はそれぞれです。見送り方にも正解なんてありません。親が死んだ後も、子の人生は続くわけですから、とても関係性が悪くても、できたらお別れはしたほうがいい。そのためにも適切な距離を持つことは大切です。

看取りに立ち会えなくても
【関連記事】