どうしても見送りたくない、顔も見たくない。そういう方もいらっしゃいますが、それならそれでいい。自分の人生を最優先するためなら、親を捨ててもいいと、わたしは思っています。
——命の専門家であり仏道に入られている岡山さんだからこそ、とても説得力があります。尾崎さん、専門医で僧侶であるお姉さんから、印象に残っている言葉や助言はありますか。
尾崎: 「最期の瞬間に立ち会えなかったとしてもかまわない。旅立つ時は自分で決めているものだから」と言ってもらえたことでしょうか。実際に、わたしは看取りの瞬間に間に合いませんでした。でも、そのタイミングを母が選んだのだと思えたから、涙は出ても、穏やかな気持ちで受け止められたんですね。知っているか知らないかで、心持ちがずいぶん変わると思います。
介護の目的は「愛が憎しみに変わらないようにすること」
——では、最後に。それぞれの著書を通して伝えたいことを教えてください。
岡山: わたしの実体験だけでなく、家族の介護や終末期において、知っておいて損はない知識や、やっておくといいことなども、『関係のよくない親を看取るということ』には多く記しています。最終章には「できたら、親としておきたい人生会議」とありますが、人生の終盤どんなふうに生きたいか、どんなケアがうけたいか、あらかじめ話し合うことをお勧めします。
介護のこと、お金のこと、延命治療のこと、お墓のこと……これは、親の気持ちを尊重するためというより、子世代が困らないためです。
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