より本質的な問題に目を向けて
「AI国家になるとは、何を意味するのでしょうか。私たちは人類に相応しいデジタル文明を築かなければなりません。これは非常に大きな挑戦です。
人類はあまり学んでいません。100年前の歴史と現代史を比較してみれば分かります。指導者たち、特に政治家はほとんど何もしてきませんでした。だからこそ、私たちは今、大規模な技術的パラダイムシフトの瀬戸際に立っているのに、厳しい現実を突きつけられているのです。
『人類の発展』とは何でしょうか? 現代では、かつて一日かけて計画しなければならなかったことが、数分、数秒で済むようになりました。AIは人間の意図を強力に仲介する存在になりつつあります」
アンワル首相は、多くの人がAIを利用して進歩や変化を実感するのは仕事の場だが、もっと本質的な問題に目を向けてほしいと主張します。
「人間の役割は、創造者から単なるキュレーターへ、生産者から単なる監督者へと格下げされつつあります。しかし最終的に問われるのは、AIの登場が私たちを真の進歩の道へと導いたのか、それとも私たちの欠点や不平等をさらに悪化させる結果となったのか、という根本的な問題です。
AIは今後も仕事をより効率的にこなしていくことは間違いありません。しかし、これは人間の批判的思考を鈍らせ、心の活力を奪い、思いやりの喪失を深刻化させるという代償を伴います。
さらにAIと権力との関係を考えてみてください。AIは、データ、チップ、エネルギー、クラウドインフラ、才能、資本を必要としています。しかし、これらは均等かつ公平に分配されているわけではありません。世界には深刻な不平等と不正義が存在し、デジタル格差が拡大しているのは明らかです。
わずかな国や企業が、他の人々が使い続けているモデルやプラットフォーム、基準に大きな影響力を持っています。資本家やコングロマリットのごく一部が、文明とは何か、戦争や国家の運命、民主主義の未来を決定しようとしています」
10日に行われた日・マレーシア首脳会談では、両国の関係は「包括的・戦略的パートナーシップ」のもと一層強化を図ること、AI分野においては能力向上に資する協力を推進するべく「日・マレーシアAIプラットフォーム」を立ち上げることを確認しました。