Milana Vinn
[ニューヨーク 9日 ロイター] - イーロン・マスク氏率いる米宇宙企業スペースX<SPCX.O>が、12日に迫る新規株式公開(IPO)に向け、投資家から2500億ドルを超える需要を集めていることが分かった。複数の関係者が9日、明らかにした。同社がIPOで目指す調達額750億ドルを大きく上回る水準だ。
関係者によると、応募超過率は計画する公開規模の3.5─4倍に達しており、銀行関係者や投資家は需要の強さを示す最新の兆候だとしている。関係者の1人は、ロングオンリーファンドが大口の注文を入れたと述べた。
関係者によると、スペースXの幹部らは9日もマーケティングキャンペーンを継続しているもようで、モルガン・スタンレー主催の昼食会に参加し、約300人の機関投資家と会合した。またマスク氏も短時間、投資家とのズーム会議に参加したという。
投資家需要は、11日午後に予定されるIPOの価格決定までに変動する可能性がある。
応募状況の数字は、価格決定時に確定する最終的な割り当てではなく、関心の表明を反映したものだ。一部の大手機関投資家はIPOの過程の終盤に注文を出す傾向があると関係者らは指摘している。
スペースXはコメント要請に直ちには応じなかった。
今回のIPOは市場のボラティリティーが極めて高い局面で実施される。ナスダック総合は前週末5日に約1年ぶりの大幅安となった後、9日も下落した。一部アナリストは、相場下落の一因として、IPO参加のための資金確保を狙ったスペースXの買い手による売却がある可能性を指摘している。
スペースXのロードショー(投資家説明会)資料とIPO関連書類は、同社のロケット打ち上げ事業の独自性を強調している。また、衛星インターネット事業「スターリンク」の強みも前面に押し出している。
さらに、人工知能(AI)関連事業に23兆ドルの市場機会が見込まれるとアピール。地上事業の制約から逃れ、宇宙空間でAI計算能力を構築できる唯一の企業であり、将来的に膨大な需要を取り込めるとしている。