Heejin Kim Josh Arslan

[ソウル/北京 9日 ロイター] - 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は9日、金正恩朝鮮労働党総書記と中国の習近平国家主席が8日に平壌で首脳会談を行い、政治・経済・文化の分野で協力を拡大することで合意したと報じた。

2国間関係を新たな段階へと発展させることで合意したという。

KCNAによると、金氏は習氏に対し、国際情勢がどのように変化しようとも「一つの中国原則」を全面的に支持すると伝えた。中国政府はこの原則について、台湾海峡の両岸が一つの国家に属することを意味するものと位置づけている。

7年ぶりに北朝鮮を訪問した習氏は金氏に対し、今回の訪問を2国間関係で大きな進展を遂げる契機にすると述べたという。

両首脳は、高官級の往来を通じて両国間の戦略的な意思疎通を深めることでも合意した。

KCNAによると、習氏と彭麗媛夫人は金氏と李雪主夫人とともに、平壌の体育館で行われた芸術公演を鑑賞した。

公演は北朝鮮の高官や平壌市民も鑑賞し、「朝中の友好の価値と緊密さ」を強調する両国の歌が披露されたという。

金氏は8日夜、習氏と代表団のために晩さん会も主催した。

KCNAによると、習氏はスピーチで金氏と「友好を分かち合える」ことに喜びを示し、北朝鮮当局者の「熱烈な歓迎」に謝意を示した。また、両国の「友好協力相互援助条約」締結から65年となるのに当たり、中朝関係が「新たな歴史的出発点」に達したと述べた。

中国国営の新華社は8日、習氏の訪朝を報じた。

北朝鮮メディアは両首脳が北朝鮮の核兵器開発計画や米国との関係について協議したかどうかには言及しなかった。

アナリストらは、中国国営の新華社通信が高官級交流や貿易、農業、交通の再開といった提案を詳細に報じたのに対し、KCNAは首脳会談を「対等なパートナー間の協定」としてより幅広く位置づけたと指摘した。

韓国・慶南大学のリム・ウルチョル教授は、北朝鮮側が体制の尊厳と隣国との「特別な関係」を強調したのに対し、中国側は実務的な国家間関係と国際秩序に対する自国のイニシアチブを強調したと付け加えた。

韓国統一研究院のホン・ミン上級研究員は「北朝鮮は自国が従属的、依存的、あるいは受益者であるかのように見える要素を排除し、関係を対等なものとして書き換えた」と指摘。「北朝鮮は反米や台湾関連のメッセージといった連帯のシグナルを強めつつ、依存や従属のシグナルを消し去った」と語った。

6カ国協議で米特使を務めたことがあり、現在は戦略国際問題研究所(CSIS)に所属するシドニー・サイラー氏は、中国政府による発表文を基に、金氏が「政治的相互信頼」を築くための十分な歩み寄りを見せていないことに習氏が不満を抱いている可能性があると分析。改革と経済開放が依然として北朝鮮にとって受け入れがたいものであり、北朝鮮が中国の発展経験から学ぶことを拒んでいることがその他の要因に挙げられると付け加えた。

トランプ米大統領は1期目に金氏と3回会談したが、北朝鮮に核放棄を求める米国の要求を巡り外交努力は決裂した。トランプ氏は協議再開に応じる用意があると述べている。

韓国・梨花女子大のリーフエリック・イーズリー国際学教授は「金氏がトランプ氏と再会談する前に中朝首脳が協議する可能性は極めて高いが、習氏が米朝協議のカタリスト(触媒)の役割を果たすかどうかは疑問だ」と指摘した。

中国は北朝鮮にとって最大の貿易相手国で、アナリストらは今回の訪問で貿易と観光が主な議題になるとの見方を示していた。

新華社によると、習氏は9日、朝鮮戦争で戦死した中国兵士を追悼する平壌の友誼塔を訪問した。

両首脳がさらなる会談を予定しているかどうかは今のところ不明だが、朝鮮労働党中央幹部学校の敷地内に共同でモミの木を植樹。新華社はこれを「絶えず新たな息吹を吹き込む友好」の象徴だと報じた。

韓国の聯合ニュースによると、習氏は9日午後に帰国の途に就く予定。

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