David Morgan
[ワシントン 6日 ロイター] - 米議会では、これまでトランプ大統領に反旗を翻すのを避けてきた与党・共和党議員の間でトランプ氏に離反する動きが広がりつつあり、トランプ氏は共和党内で支持基盤の揺らぎに直面している。
過去1週間だけでも、上下両院の複数の共和党議員グループがトランプ氏の対イラン軍事行動を批判したほか、ホワイトハウスの新たな大宴会場建設に関連する10億ドルの予算を拒否し、司法「武器化」の被害者に対する約18億ドルの補償基金について政権側に撤回を迫り、さらには国内監視に関する法案も阻止した。
また下院は4日、ウクライナ支援とロシアへの追加制裁を盛り込んだ法案を可決し、トランプ氏の意向に反対する姿勢を示した。トランプ氏は拒否権を発動するとみられている。
共和党と民主党の双方とも、トランプ氏が共和党内で実際に反乱に直面しているとはみていない。しかしトランプ氏と袂を分かつ意思を示す共和党議員は徐々に増えており、トランプ氏によって政治的に追い落とされた議員もこうした流れに加わっている。こういった動きにより、11月の中間選挙に向けてトランプ氏の主要政策の実現が難しくなる可能性がある。
昨年、減税の恒久化などを盛り込んだ「1つの大きく美しい法案」に反対し、引退を表明した共和党のトム・ティリス上院議員は「選挙が近づくにつれ、議員たちは有権者が望むと考える方向で投票するようになる」と述べた。
共和党議員はこの数年、物議を醸すような閣僚人事を支持し、大統領令にもほとんど抵抗を示さず、財政赤字の急拡大や低所得者向け医療保険制度(メディケイド)の削減に懸念を抱きながらも、トランプ氏の打ち出した主要な法案を支持してきた。
しかし議員や議会関係者によると、トランプ氏が共和党のビル・キャシディ上院議員やジョン・コーニン上院議員の再選を支持しなかったことや、タイミングを逸した一連の政策発表によって、党内では不満や反発が高まっているという。
転機は5月下旬のメモリアルデー直前。トランプ氏がコーニン氏の再選を支持しないと表明したことに加え、司法の「武器化」基金の創設を打ち出したことで、上院共和党は700億ドル規模の移民取締り予算法案の審議を断念せざるを得なくなり、議員らは強い不満を抱えたまま休会入りした。
共和党上院関係者の1人は「さまざまな出来事が重なり、完全に嵐のような状況だった」と当時を振り返った。
トランプ氏はまた、国家情報長官代行だったギャバード氏の後任として、自身に近いプルテ氏を任命したが、共和党内の有力議員の一部はこの人事に懸念を示している。
共和党重鎮のミッチ・マコネル上院議員は、プルテ氏が正式な国家情報長官候補となった場合は支持しない考えを表明。「法律は十分な経験を有する人物を充てるよう義務付けている。その要件を満たさない候補者には投票しない」と述べた。
今後の最大の試練は、トランプ氏が近く正式指名するとみられる元個人弁護士のトッド・ブランチ氏の司法長官就任人事になる可能性が高い。
この人事は上院で厳しい審査に直面する公算が大きい。最初の関門となる上院司法委員会には、トランプ氏から報復を受けたコーニン議員も所属しており、同議員はブランチ氏への支持について「幾つかの重要な質問への回答次第だ。司法長官は大統領の私的弁護士ではない」と述べている。